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最終更新: 2026.07.19

楽天店舗のVOC活用|レビュー・問い合わせを改善施策に変える5ステップ

楽天店舗のVOC活用|レビュー・問い合わせを改善施策に変える5ステップ

楽天店舗のVOC活用で最初にやることは、レビューへ返信するだけで終わらせず、問い合わせや返品・交換の理由も同じ基準で記録し、改善後に同じ声が減ったかまで確認することです。VOC(Voice of Customer)はクレームだけではありません。購入を迷った理由、商品の不満、要望、評価された梱包など、顧客から得られる声全体を指します。

小規模店なら、週1回、一つの表へ集めるだけで始められます。

  1. レビュー・問い合わせ・返品理由を集める
  2. 一つの文章を論点ごとに分ける
  3. 頻度・影響・改善可能性で優先する
  4. 原因に近い箇所を一つ変える
  5. 変更後のVOCと行動データを確認する

ただし、けが、発熱、誤飲、アレルギー、異物、法令・表示違反、個人情報漏えいの可能性がある声は、週次集計を待ちません。個別対応と責任者への連絡、事実確認を優先します。

VOCを返信記録ではなく改善の入力データにする

公式仕様として、楽天市場は顧客の声を、収集、内容の分析・各部門への報告、改善検討、改善実行、改善後の声の確認という循環で活用すると説明しています。店舗でも、返信件数を数えて終えるのではなく、「同じ問題の再発を減らせたか」までを一つの仕事として扱うのが要点です。

個別対応VOC活用
目の前の顧客の問題を解決する同じ問題が起きる原因を減らす
返信・返金・交換で完了分類、改善、変更後の確認まで行う
担当者の記憶に残る店舗共通の記録に残す
強い不満を中心に見る不満、要望、購入理由、称賛を見る

たとえば「ふたの外し方が分からない」という問い合わせへ毎回答えるだけでは、質問は減りません。商品ページの使用画像や同梱説明を直し、その後の問い合わせ率まで見れば、顧客のつまずきと担当者の対応工数を同時に減らせます。

楽天店舗で集めるVOCの入口

公式仕様として確認できる入口には、商品レビュー、ショップレビュー、注文前・注文後の問い合わせがあります。楽天市場の案内では、注文前は商品ページの「ショップへ相談」など、注文後は購入履歴の問い合わせ導線などから店舗へ連絡できます。キャンセル、返品、交換も各ショップへの問い合わせ対象です。

レビューは買い物体験を共有する場、個別注文の変更や問題解決は店舗への直接連絡と、役割が異なります。両方を見ないと、公開されやすい感想か個別対応が必要な声のどちらかに偏ります。

入口分かること切り分けのポイント
商品レビュー品質、サイズ、味、色、使用感星だけでなく本文を論点別に読む
ショップレビュー梱包、配送、店舗対応商品そのものの問題と混ぜない
購入前問い合わせ説明不足、比較しにくさ、購入障壁回答後にページ修正の余地を見る
購入後問い合わせ使い方、不具合、案内不足個別事故か共通のつまずきか分ける
返品・交換対応期待と実物の差、破損、誤送「顧客都合」だけで一括りにしない

未確認事項として、今回確認した公開情報では、全店舗共通の理由コードで返品理由を集計・出力するRMS機能までは確認できませんでした。返品理由は、自店の受付記録を基に分類してください。「RMSで返品理由を自動分析できる」とは断定できません。

編集部提案:5分類のVOC表を作る

ここからの5分類、記録項目、採点方法は楽天の公式基準ではなく、少人数でも続けやすくするための編集部提案です。最初から分類を細かくしすぎると担当者ごとに判断がぶれるため、まずは次の5分類で始めます。

  1. 商品:品質、サイズ、色、味、耐久性、付属品
  2. ページ:画像との差、説明不足、選択肢、サイズ表、使い方
  3. 配送・梱包:破損、遅延、日時、温度帯、梱包方法
  4. 対応・制度:返信、案内、返金・交換、決済に関するつまずき
  5. 期待超過:想像以上に便利、説明が明快、梱包が丁寧

一つの投稿に「商品は良いが説明書が分かりにくく、交換案内は丁寧だった」とあれば、商品、ページ、対応の3論点へ分けます。顧客が述べた事実・感想と、「撮影照明が原因ではないか」といった店舗側の仮説も別の列にします。

記録項目入力例注意点
受付日・入口7月10日/購入後問い合わせ入口を混ぜず比較できるようにする
商品管理キー店舗内商品コード商品名より安定したキーを使う
論点要約実物が商品画像より暗く見えた個人情報や完全な注文番号を入れない
分類・影響ページ/返品につながった安全・法令懸念は別途即時連絡する
原因仮説撮影条件の影響顧客の発言ではなく仮説と明記する
改善先・担当・期限比較画像/制作担当/月末担当者と確認日を必ず決める

返品理由は、顧客の言葉を必要最小限に要約した列と、店舗が付ける理由コードを分けます。サイズ・寸法の期待差、色・質感の期待差、説明不足、使い方、初期不良、誤送、配送破損などに分けると改善先を探しやすくなります。健康状態や家庭事情など、改善に不要な情報は記録しません。

VOCを改善へ変える5ステップ

1. 集める

週1回、レビュー、問い合わせ、返品・交換対応から、個人を特定しない要約を表へ追加します。日次確認で重大案件を見つけた場合は、集計表への入力より先に顧客対応と社内連絡を行います。

2. 論点ごとに分ける

文章を一投稿一行ではなく、一論点一行で扱います。「小さい」「寸法が想像より小さい」「収納できない」のような同義の声は、サイズ期待差として束ねます。原文の意味を変えず、担当者の解釈は原因仮説欄へ分離します。

3. 優先順位を決める

編集部提案として、頻度、影響、改善可能性を各1〜3点で確認します。合計点だけに任せず、安全・法令・個人情報に関わる可能性がある項目は、一件でも責任者が確認します。通常項目の着手点は、店舗の注文量と人員に合わせて決めてください。

4. 原因に近い箇所を一つ変える

ページ、商品仕様、梱包、FAQ、返信テンプレのうち、原因に最も近い箇所を変えます。同時に多くを変更すると、何が効いたか分かりません。変更日、対象商品、変更内容、比較期間を記録します。

5. 変更後を確認する

同じVOCが減ったかに加え、転換率、返品率、破損率など関連する行動データも見ます。公式仕様として、R-Karteではアクセス人数、検索キーワード、ページ別の転換率・客単価、新規・リピート別購入顧客数などの分析項目が案内されています。管理画面の表示名や利用条件は変わる可能性があるため、実際のRMSで最新状態を確認してください。

優先順位と改善の判断例

VOC頻度影響改善可能性次の行動
サイズが想像より小さい323計測位置と比較画像を追加する
色名を増やしてほしい112要望として保留し再発を確認する
使用中に発熱した132販売・商品責任者が即時確認する
梱包が丁寧だった213該当作業を確認し手順化を検討する

「サイズが小さい」が続いた場合、寸法を太字にするだけでなく、計測位置、手や一般的な物との比較、収納例を追加します。変更後は件数だけでなく、「同種問い合わせ件数÷対象商品の注文数」のように分母をそろえて比較します。注文数が増えれば問い合わせ件数も増え得るためです。この算式や比較期間も公式基準ではなく編集部提案です。季節商品なら前年同時期など、商材に合う期間を選びます。

一方、「梱包が丁寧」という声は、単なる称賛として閉じません。その結果を生んだ資材、手順、検品方法を確認し、担当者個人の工夫なら標準化します。ただし、好意的なレビューを販促へ転載する判断とは別です。

運用担当者のチェックリスト

日次:重大案件と個別対応

  • 安全、法令、表示、個人情報に関わる声を責任者へ連絡したか
  • 顧客への返信・交換・返金など必要な個別対応を進めたか
  • 公開返信に氏名、注文番号、配送状況などの個別情報を書いていないか

週次:分類と担当決め

  • 一つの文章を論点ごとに分けたか
  • 商品、ページ、配送・梱包、対応・制度、期待超過に分類したか
  • 件数だけでなく影響と改善可能性を見たか
  • 改善できる担当者と期限を決めたか

月次:改善結果の確認

  • 変更日と対象商品を記録したか
  • 同種VOCの件数と率を変更前後で比べたか
  • R-Karteなどの行動データと突き合わせたか
  • 別の不満が増えていないか原文へ戻って確認したか
  • 再現したいポジティブな声も確認したか

担当は「返信した人」ではなく「改善できる部門」に割り当てます。商品なら企画、ページなら制作、配送なら物流、対応ならCSへ渡すと報告止まりを防げます。

個人情報・AI・レビュー利用の注意点

公式情報では、楽天から店舗へ提供される氏名、住所、電話番号などの顧客情報は、商品の配送や取引に関する連絡など、取引実行に必要な範囲で利用すると説明されています。分析用の表へ個人情報を無制限に複製してよいという意味ではありません。

編集部提案として、個別対応記録と傾向分析表を分け、分析表には氏名、住所、電話番号、メールアドレス、配送伝票画像、完全な注文番号を原則コピーしない運用にします。閲覧権限、保存期間、削除方法を決め、外部の生成AIへ原文を渡す場合は、個人を特定できる情報の除去、利用規約、保存・学習利用、委託先管理を事前に確認してください。安全・法令・返金の判断をAI分類だけで確定せず、人が原文と事実関係を確認します。

楽天市場のレビュー投稿ガイドラインでは、個人を特定できる情報の投稿や、店舗関係者・利害関係者による投稿、返金や報酬を条件に正常な買い物を装う投稿などに禁止例があります。また、広告であることが分かりにくいレビュー投稿は、条件によって景品表示法上のステルスマーケティング規制の対象になり得ます。レビュー本文・写真が公開されていても自由に販促利用できるとは判断せず、最新の楽天市場規約、店舗運営Navi、権利者の許諾、広告表示の要否を施策ごとに確認してください。

本稿の基準日は2026年7月19日です。法令、楽天市場の規約、RMSの画面・機能名、提供条件は変更される可能性があります。本稿は一般的な運用整理であり、個別案件への法的助言ではありません。事故、漏えい、健康被害、表示違反の疑いがある場合は、社内責任者や専門家へ確認してください。

この状況なら次に何をするか

まだVOC表がない店舗は、まず直近のレビュー、問い合わせ、返品・交換対応から同じ論点を3件探し、5分類と担当者だけを付けてください。表はあるのに改善へ進まない店舗は、今月の一項目に担当・期限・確認指標を設定します。個人情報の持ち方やレビュー施策の条件に不安がある場合は、集計や転載を広げる前に相談し、関連記事でレビュー返信、問い合わせ対応、R-Karteの確認手順を整理すると安全です。

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西尾 勝太

西尾 勝太株式会社ラクダ 代表

楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト

楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。

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