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佐川急便のe飛伝とは?種類の違い(II・III・Web)と使い方・CSV一括発行を解説

佐川急便の「e飛伝」は、宅配便の送り状(伝票)をパソコンで作成・印刷できる無料の送り状発行システムです。かつては据置ソフトの「e飛伝II」や簡易版の「e飛伝Web」がありましたが、現在の主力はクラウド型でインストール不要の「e飛伝III」。II・Webはいずれも終了に向かっており、これから新規で使うなら実質e飛伝III一択です。本記事では種類の違いから導入手順、受注CSVの一括取込までを、EC店舗の発送実務目線で整理します。
e飛伝とは?佐川急便の送り状を無料で発行できるシステム
e飛伝は、佐川急便の宅配便を出荷する際に必要な「送り状(伝票)」を、パソコンとプリンターで作成・印刷するための発行システムです。手書き伝票を1枚ずつ書く代わりに、あて先や品名などをデータで登録して印刷できるため、出荷件数が多いEC店舗ほど効果が大きくなります。
EC運営で送り状発行システムが実質必須になる理由は、次の3点に集約されます。
- 手書きの限界:1日に数十〜数百件を出荷する店舗では、手書き伝票の記入と控えの管理が現実的でない。
- 入力ミスの削減:あて名・電話番号の書き間違いは再配達や返送の原因になる。データ発行なら受注情報をそのまま流用できる。
- 追跡番号の管理:発行した送り状番号(お問い合わせ送り状No.)を一覧で扱えるため、購入者への出荷通知(追跡番号連携)に回しやすい。
e飛伝そのものは佐川が無料で提供しており、EC店舗が佐川便で発送するうえでの標準ツールという位置づけです。
【重要】e飛伝の種類と現在の提供状況 — II・Webは終了、今は「e飛伝III」
まず結論として、これから使うならe飛伝IIIです。過去に主流だった「e飛伝II」と簡易版の「e飛伝Web」は、いずれもe飛伝IIIへ統合・移行する流れになっています。
- e飛伝II:PCに導入する据置ソフト型。新規受付は先行して終了し、その後サービス自体も終了する告知が出ています。既存利用者はe飛伝IIIへの移行が必要です。
- e飛伝Web:ブラウザで使う簡易版。「e飛伝Webサービス終了」のお知らせが出ており、Web版利用者はスマートクラブ経由でe飛伝IIIへ移行する導線(移行手順書PDFあり)が用意されています。
- e飛伝III:現行の主力。クラウド型でインストール不要、原則無料で利用できます。
注意:e飛伝IIやWebの具体的な終了日は、延長告知によって上書きされることがあります(過去に「e飛伝II利用可能期間の延長」告知が出た経緯があります)。移行時期の判断は、必ず佐川急便公式のお知らせで最新情報を確認してください。本記事では「II・Webは終了方向→現行はe飛伝III」という結論を軸にしています。
なお、大口・特殊要件向けの「e飛伝Pro」も存在しますが、佐川の一般公開ページでの露出は少なく、主に外部の受注管理システムの対応表記で見かける程度です。店舗運営者はまずe飛伝IIIを押さえておけば十分で、Proは補足的な選択肢と考えておくと迷いません。
e飛伝 II / III / Web / Pro の違いを一覧で比較
4種類の違いを、形態と提供状況で並べると次のとおりです。
| 種類 | 形態 | 提供状況 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| e飛伝II | インストール型(PC据置ソフト) | 終了方向(新規受付終了済み・サービス終了告知あり/延長告知に注意) | 旧主力 |
| e飛伝III | クラウド型(ブラウザ、インストール不要) | 現行の主力 | II・Webの統合後継 |
| e飛伝Web | 簡易Web版(ブラウザ) | 終了(e飛伝IIIへ移行) | 簡易・少量向けだった |
| e飛伝Pro | 大口・専用要件向け | 現行(要件・連携システム側で選択) | 大量/特殊要件向け |
最大の違いは「インストール型か、クラウド型か」です。e飛伝IIは各PCにソフトを入れて使うため、パソコンの入れ替えや複数台運用でセットアップの手間がかかりました。e飛伝IIIはブラウザで動くクラウド型なので、対応ブラウザさえあれば導入が軽く、OSやPCの更新に振り回されにくいのが利点です。
e飛伝IIIの導入手順 — 佐川と契約 → スマートクラブ登録 → ログインまで
e飛伝IIIを使い始めるには、大きく3ステップが必要です。ソフトのインストールは不要ですが、その前提として「佐川との運賃契約」と「会員登録」が要る点に注意してください。
- 佐川急便と運賃契約を結ぶ(お客様コード=荷送人の取得)
送り状発行の前提として、飛脚宅配便などの契約が必要です。この契約に紐づく「お客様コード(荷送人)」が、送り状の差出人情報の土台になります。集荷や運賃はこの契約ベースで決まります。契約やお客様コードの設定は、担当営業所・セールスドライバー経由での手続きが絡む場合があります。
- スマートクラブに登録する
スマートクラブは佐川急便の法人向け会員サービスで、e飛伝IIIログインの土台になります。ログインページから新規登録を行います。
- e飛伝IIIにログインする
対応ブラウザ(Microsoft Edge / Google Chrome、macOSも対応)でスマートクラブにログインし、e飛伝IIIを開きます。荷送人(お客様コード)の追加・削除申請もe飛伝III側から行えますが、サービスによっては担当営業所での事前設定が必要な場合があります。
導線を一言でまとめると、「佐川と運賃契約 → スマートクラブ登録 → e飛伝IIIにログイン」の順です。いきなりe飛伝IIIだけを使い始めることはできず、運賃契約と会員登録が先に必要という点だけ押さえておきましょう。
e飛伝IIIの基本の使い方 — 1件ずつ送り状を手入力で作成・印刷する
まずは1件ずつ手入力で発行する基本の流れです。少量出荷や、CSV連携を組む前の動作確認に向いています。
- e飛伝IIIにログインし、送り状作成のメニューを開く。
- お届け先(あて名・住所・電話番号)、依頼主、品名、個数、便種などの必要項目を入力する。
- 代引き・クール便・時間帯指定など、必要なオプションを選択する。
- 内容を確認し、送り状を印刷する。
対応する便種・サービスは幅広く、飛脚宅配便を中心に、飛脚ハンガー便、セキュリティーサービス、飛脚精密機器宅配便などにも対応しています。冷蔵・冷凍のクール便や代金引換なども、便種・オプションの選択で対応できます。
印刷にはプリンターと送り状用紙が必要です。使う用紙が専用用紙か普通紙かは用紙種によって異なるため、自店の運用に合う用紙を佐川側に確認してください。e飛伝III本体は無料ですが、このプリンター・用紙代は自己負担になります。
【本命】受注CSVを一括取り込みして大量の送り状をまとめて発行する

EC店舗で最も効いてくるのが、受注データのCSVを取り込んでまとめて発行する使い方です。1件ずつ手入力する必要がなくなり、出荷作業が大きく短縮されます。
基本の流れは次のとおりです。
- 受注管理システムやモール管理画面から、出荷対象の受注をCSVで書き出す。
- e飛伝IIIのメニューから「送り状データ取込」を開く。
- 取り込むCSVの形式に合った共通テンプレートを選ぶ。
- CSVを取り込み、内容を確認して送り状をまとめて印刷する。
テンプレートは、CSVのカラム構成に合わせて選ぶ仕組みです。たとえば「標準_飛脚宅配便_CSV_ヘッダ有」(1行目に項目名の見出し行があるCSV用)や、「e飛伝II_飛脚宅配便移行_CSV_ヘッダ無」(旧e飛伝IIの形式から移行する見出しなしCSV用)などが用意されています。自店のCSVがヘッダ行を含むかどうか、どのフォーマットで出力しているかに合わせて選ぶのがポイントです。
CSV取込でつまずきやすいのは、多くがデータ側の問題です。取込前に次を確認しておくと失敗が減ります。
- 文字コード・環境依存文字:丸囲み数字やローマ数字などの環境依存文字は文字化けの原因になりやすい。
- 桁欠け:郵便番号や電話番号をExcelで開くと先頭の0が落ちることがある。文字列として扱う。
- テンプレート選択ミス:ヘッダ有/無の取り違えは、項目のズレ・取込エラーに直結する。
- 必須項目の空欄:あて名・住所・電話番号など必須項目が空だと取り込めない。
発行後の送り状番号(追跡番号)をCSV出力して受注システムに戻す
送り状を発行したら、そこで終わりではありません。発行済みの送り状番号(お問い合わせ送り状No.=追跡番号)を書き出して、受注管理システムに戻すことで、購入者への出荷通知(追跡番号のお知らせ)まで自動化しやすくなります。
流れは次のとおりです。
- e飛伝IIIの「出荷履歴一覧」を開く。
- 対象の出荷分を選択する。
- 「データ出力」でお問い合わせ送り状No.を含むデータをCSV出力する。
- 出力したCSVを受注管理システム側に取り込み、出荷通知(追跡番号連携)に反映する。
この「受注CSVを取り込む → 送り状を発行する → 送り状番号を書き出して戻す」という往復のフローが組めると、発送業務のほとんどをデータのやり取りで回せるようになります。手入力とコピペを繰り返す運用から抜け出せるのが、CSV連携の一番の価値です。
楽天など複数モールの受注をe飛伝IIIにつなぐ — 受注管理システム連携という近道
楽天・Amazon・自社サイトなど、複数のモール・カートで販売していると、受注データの形式がバラバラになりがちです。それぞれのCSVをe飛伝III用に手作業で整形していると、結局手間が減りません。
そこで現実的なのが、受注管理システムを1本かませる方法です。各モールの受注を受注管理システムに集約し、そこからe飛伝III用のCSVに一括で書き出せば、フォーマットのばらつきを気にせず取込まで進められます。
実際、多くのモール・カート・受注管理システムがe飛伝IIIのCSVフォーマットに対応しています。自店で使っている(あるいは検討している)受注管理システムがe飛伝IIIに対応しているかを確認しておくと、複数モール発送の効率化を一気に進められます。
複数のお客様コード(荷送人)を使い分ける運用にもe飛伝IIIは対応しており、事業所ごと・ブランドごとに差出人を切り替えることもできます。
よくあるトラブルと対処
CSV連携や複数拠点運用でつまずきやすいポイントと対処をまとめます。
| よくある症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 取り込むと文字化けする | 文字コードの不一致・環境依存文字 | 環境依存文字を避ける/文字コードを揃えて出力する |
| 郵便番号・電話番号の桁が欠ける | Excelが先頭の0を削除 | 文字列として扱う/編集はCSVエディタで行う |
| 取込時に項目がズレる・エラーになる | ヘッダ有/無テンプレートの取り違え | CSVの見出し行の有無に合ったテンプレートを選ぶ |
| 差出人(荷送人)が意図と違う | 複数お客様コードの選択ミス | 発行前に使うお客様コード(荷送人)を確認する |
| 複数PCで使いたい | 台数分のIDが必要か不安 | 同一スマートクラブIDで複数PC利用が可能 |
複数PCでの利用は、台数分のIDを別途取得しなくても、同一のスマートクラブIDで運用できます。事務所内の複数端末で出荷作業を分担したい場合も、この点を押さえておくとセットアップがシンプルになります。
関連する自動化ツール
受注CSVを一括処理するツール(ラクリプ) ── e飛伝の送り状作成につながる受注CSVを、出力から一括発送まで自動化できます。
e飛伝でよくある質問(FAQ)
Q. e飛伝IIはもう使えないの? A. e飛伝IIは新規受付が終了しており、サービス自体も終了する方向です(終了日は延長告知があり得るため、佐川急便公式のお知らせで最新確認を推奨します)。これから新規で使う場合は、後継のe飛伝IIIが対象になります。
Q. e飛伝IIIの利用料はいくら? A. e飛伝III本体は原則無料で使えます。別途かかるのは宅配便の運賃と、送り状を印刷するためのプリンター・用紙代です。システム利用料そのものは不要です。
Q. 使うのに何が必要?(契約・登録) A. ①佐川急便との運賃契約(飛脚宅配便等=お客様コード/荷送人)、②佐川の会員サービス「スマートクラブ」の登録、③対応ブラウザ(Edge/Chrome、mac可)のパソコン、が必要です。ソフトのインストールは不要です。
Q. 楽天などの受注データをまとめて送り状にできる? A. できます。受注システムから出力したCSVを、e飛伝IIIの「送り状データ取込」で共通テンプレートを選んで取り込めば、まとめて送り状を発行できます。多くのモール・受注管理システムがe飛伝IIIのフォーマットに対応しています。
Q. 発行した送り状番号(追跡番号)を受注管理に戻せる? A. 戻せます。「出荷履歴一覧」から対象を選び「データ出力」で、お問い合わせ送り状No.(追跡番号)を含むデータをCSV出力できます。これを受注システムに取り込めば、購入者への出荷通知に反映できます。
まとめ
e飛伝は佐川急便の送り状をパソコンで発行できるシステムで、現在の主力はクラウド型・インストール不要・原則無料のe飛伝IIIです。据置型のe飛伝IIや簡易版のe飛伝Webは終了方向にあり、新規利用はe飛伝IIIが前提になります(終了日の詳細は延長告知があり得るため、佐川公式のお知らせで確認するのが確実です)。
使い方は、少量なら1件ずつの手入力で足りますが、出荷件数が増えるEC運営では「受注CSVを取り込んで一括発行 → 送り状番号を書き出して受注システムに戻す」というデータ連携の運用にすると、発送作業の負担が大きく変わります。複数モールを扱う場合は、受注管理システムを間に挟んでe飛伝III用CSVに揃える方法が現実的な近道になります。自店の出荷件数と販売チャネルの数に合わせて、手入力かCSV連携かを選んでいくとよいでしょう。
参考URL
- 佐川急便 e飛伝III サービスページ: https://www.sagawa-exp.co.jp/service/okurijyou-support/e-hiden3/
- e飛伝III FAQ(よくあるご質問): https://e-hiden3.sagawa-exp.co.jp/help_nsx/qa-all.html
- お知らせ: e飛伝Web終了+e飛伝II延長: https://www2.sagawa-exp.co.jp/whatsnew/detail/1940/
- e飛伝Web→スマートクラブ移行手順書(PDF): https://www.sagawa-exp.co.jp/assets/pdf/service/okurijyou-support/e-hiden3/migr-ehidenwebto3.pdf
- スマートクラブ ログイン/新規登録: https://www.e-service.sagawa-exp.co.jp/portal/do/login/show
- LNEWS: e飛伝IIサービス終了: https://www.lnews.jp/2024/02/q0213308.html
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西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
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