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n8nの使い方|店舗の日報を集めて通知する自動化を作る手順

n8nは、トリガーとノードをつないで作業を自動化するツールで、クラウド版とセルフホスト版があります。 毎朝の時刻をトリガーに、スプレッドシートの日報を読み取り、前日比を計算してチャットへ通知できます。 認証情報はn8nに登録し、顧客情報は外部へ送らない構成にします。確認日は2026年10月23日です。
n8nの基本の考え方

n8nの使い方は、開始条件を決め、取得・加工・通知の部品を順につなぐと理解しやすくなります。
| 用語 | 意味 | 店舗日報での使い方 |
|---|---|---|
| トリガー | 処理を開始する条件や部品 | 毎朝の指定時刻に起動 |
| ノード | データ取得や加工などの処理部品 | 日報を読み、計算し、通知 |
| 認証情報 | 外部サービスに接続するための情報 | GoogleやSlackへの接続に使用 |
| 実行 | ワークフロー全体を動かすこと | 朝の日報処理を実施 |
ノードを追加するたび、その数だけ実行回数が増える料金体系ではなく、ワークフローの実行を基準にします。
時刻ではなく外部サービスからの通知で始めたい場合は、Webhookノードをトリガーにします。WebhookノードはURLを発行し、そこに届いたデータでワークフローを開始します。n8n公式:Webhook
初心者の方は、この記事の日報のように、決まった時刻に読んで通知するだけの短い流れから始めると、動作を確かめやすくなります。
この記事では、楽天市場の店舗で集計した日別の数字が、スプレッドシートにある状態から作り始めます。楽天市場からの直接取得については、指定された公式資料では、必要な契約・権限・対応範囲を公開情報では確認できません。
n8nのクラウド版とセルフホスト版の違い
サーバー管理を任せるならクラウド版、構築と保守を継続できる担当者がいるならセルフホスト版を検討します。
| 比較項目 | n8n Cloud | セルフホスト |
|---|---|---|
| 実行環境 | n8n側が用意 | 利用者側が用意 |
| インフラの管理 | n8n側が担当 | 利用者側が担当 |
| 無料で試す方法 | 無料トライアル | Community Edition |
| 店舗側の検討事項 | 料金、実行枠、接続権限 | サーバー費、更新、復旧体制 |
利用形態と有料プランは別の区分なので、セルフホストがすべて無料になるわけではありません。
n8nの料金とプラン
料金は月間の実行枠と提供形態で比較し、年払いの月額換算表示を月払い料金と混同しないことが大切です。
| プラン | 提供形態 | 公式の年払い月額換算表示 | 月間実行枠 |
|---|---|---|---|
| Community Edition | セルフホスト | ソフトウェア無料 | 実行回数無制限、処理能力は環境に依存 |
| Starter | Cloud | €20 | 2,500回 |
| Pro・10k枠 | Cloud | €50 | 10,000回 |
| Business | セルフホスト | €667 | 40,000回 |
| Enterprise | Cloud/セルフホスト | 個別見積もり | 個別設定 |
有料プランの金額と実行枠は、確認日時点の公式料金ページに基づきます。
Cloudの無料トライアルは14日間、実行枠は1,000回で、恒久的な無料Cloudプランではありません。サーバーの運用費や外部AIの利用料などは分けて見積もり、日報以外の定期処理も含めて枠を確認します。
Trial・Starter・Proは上限到達後の実行がその場で失敗し、枠が戻っても失敗分が自動実行されません。実行枠は請求日ではなく毎月初めにリセットされるため、月内の使用量を確認する運用が必要です。
失敗した実行には、公式ヘルプの「計上しない」と、公式ドキュメントの「定時起動は結果にかかわらず計上」が併存します。適用条件の違いは公開情報では確認できないため、失敗分を除外して枠が足りると判断せず、余裕を持って計画します。根拠は公式ヘルプと実行回数の説明です。
店舗日報のスプレッドシートを準備する方法
通知用に集計専用ファイルを用意し、売上・注文数・問い合わせ件数の定義をそろえてから接続します。
次の列構成は店舗向けの設計例であり、楽天市場の公式指標や必須フォーマットを示すものではありません。
| 列 | 入れる内容 | 先に決めること |
|---|---|---|
| 対象日 | 日別実績の日付 | 日本時間で統一 |
| 店舗コード | 集計対象の店舗 | 顧客の識別コードを使わない |
| 売上 | 日別の集計金額 | 税・送料・値引き・キャンセルの扱い |
| 注文数 | 日別の集計件数 | 何の日付を基準に数えるか |
| 問い合わせ件数 | 日別の受付件数 | 新規相談と返信の区別 |
| 集計状態 | 未集計・速報・確定 | 通常の日報を送れる状態 |
| 更新日時 | 最終更新の日時 | 集計が古くないかの判定 |
売上ゼロと空欄は別の状態なので、未入力を自動的にゼロへ置き換える処理は避けます。
顧客台帳の別タブに日報を作るより、ファイル自体を分けると、読み取ってよい範囲を管理しやすくなります。
日報を通知するワークフロー

新規ワークフローにスケジュール、読み取り、計算、文章化、通知の順でノードを追加して作成します。
「Create」からWorkflowを作成し、以下の順序で配置して、各ノードの出力を次のノードにつなぎます。
画面の「Templates」からは、n8nのサイトで公開されているワークフローのテンプレートも開けます。テンプレートを読み込んだ場合も、認証情報と各ノードの設定は自店の環境に合わせて確認します。n8n公式:テンプレート
- スケジュールを設定する
Schedule Triggerを追加し、Trigger IntervalではDaysを選択します。実行時刻は集計完了後の朝とし、ワークフローのTimezoneはAsia/Tokyoに設定します。日報の対象日を昨日、比較対象を一昨日として扱い、日本時間の日付で読み取り対象を決めます。
- スプレッドシートを読み込む
Google Sheetsノードで認証情報を選び、OperationをGet Row(s)にします。ResourceはSheet Within Documentとし、DocumentとSheetを指定します。小規模な日報表では全行を読み、後段で店舗と対象日を選ぶ構成から始めると、取得結果を確認しやすくなります。フィルターで複数行が一致すると既定では先頭だけを返すため、重複確認にはReturn All Matchesを設定します。
- 前日比を計算する
Codeノードを追加し、Run Once for All Itemsで取得行をまとめて扱います。店舗ごとに対象日と比較対象日を照合し、欠損や重複、数値の不正、集計状態を確認します。検証を通ったデータについて、差額・差分と増減率を計算する処理をCodeノードに設定します。
- 文章にまとめる
Edit Fieldsなどで対象日、実績、前日との差、集計状態を定型文にし、店舗ごとに通知用のアイテムへまとめます。AIノードは任意とし、まずは計算済みの値を定型文へ差し込む構成にすると、内容を確認しやすくなります。
- チャットに通知する
SlackノードでMessageのSendを選び、認証情報と日報用チャンネルを指定して、作成した本文を渡します。通知後は店舗、対象日、通知先、送信状態、送信日時を記録し、再実行の際に成功済みの通知を確認します。
読み取り時はValues (unformatted)を選び、金額記号などの表示文字列と計算用の数値を区別します。設定の根拠はGoogle Sheetsの行操作です。
前日比の計算と通知文の作り方
前日比は対象日の値と比較対象日の値から計算し、ゼロや欠損の場合は通常の増減率と表現を分けます。
差額・差分は「対象日の値−比較対象日の値」、増減率は「差分÷比較対象日の値×100」で求めます。
| データの状態 | 計算・通知の設計 |
|---|---|
| 比較対象がゼロ以外 | 差分と増減率を表示 |
| 比較対象がゼロ、対象日は実績あり | 割り算せず「前日は実績なし」と表示 |
| 両日ともゼロ | 「両日とも実績なし」と表示 |
| 比較対象日の行がない | 「比較対象なし」と表示 |
| 対象日が欠損・重複 | 通常の日報を止め、確認通知へ分岐 |
| 集計が未確定 | 速報と明示するか、確定まで待機 |
通知本文は、対象日、売上、注文数、問い合わせ件数、前日との差、集計状態、確認事項の順にそろえます。
数値の変化だけで広告効果や接客品質の原因を断定せず、担当者が追加確認すべき点として伝えます。
n8nの手動テストとPublishの手順
手動実行で数字と宛先を確認した後、Publishを完了させて、予定時刻の自動実行まで検証します。
- 検証用の集計データと通知先を使い、Execute Workflowで読み取りから送信まで動かします。
- 通常データに加え、空欄、重複、比較対象がゼロ、未確定の状態を用意して分岐を確認します。
- 対象日とタイムゾーン、通知先を確認し、Publish後に公開の完了状態を確かめます。
- 翌朝の実行履歴と通知を照合し、修正した場合は再度Publishして本番に反映します。
編集内容は自動保存されますが、本番実行が使うのは公開済みの版なので、保存だけでは変更は反映されません。旧解説のActive操作とは区別して進めます。n8n公式:保存と公開
停止中の日報がすべて自動で補われるとは考えず、復旧時には未送信の対象日を確認して再実行します。
n8nのエラーワークフローと実行履歴の確認方法
失敗を通知するエラーワークフローと、実行履歴・完了記録の確認を組み合わせると、異常を追いやすくなります。
- 別のワークフローを作り、先頭にError Trigger、その後ろに障害通知用のノードを置きます。
- 日報ワークフローのSettingsにあるError workflowで、作成したワークフローを指定します。
- 検証用の自動実行を意図的に失敗させ、障害通知が届き、担当者が確認できることを確かめます。
Error Triggerは自動実行の失敗で動くため、手動実行だけではエラーワークフローの検証は完了しません。Error Triggerを置いた側のワークフローは公開不要です。n8n公式:Error Trigger
| 確認したい異常 | 確認方法 |
|---|---|
| 接続・通知処理の失敗 | エラーワークフローで担当者へ通知 |
| 失敗した処理と入出力 | Executionsで対象実行を開く |
| 集計行の欠損・未確定 | 検証結果を通常日報と別に通知 |
| 定時処理の未実行 | 通知期限後に完了記録を照合 |
| n8n自体の停止 | n8nとは別の仕組みで稼働を確認 |
全体の実行履歴はOverviewのExecutions、個別の履歴はワークフロー内のExecutionsで確認します。
再送前は通知先の受信状況も確認し、相手側では受け付け済みなのに応答だけ途切れた可能性を考慮します。完了記録だけで重複送信を完全に防げるとは限らないため、応答不明時の再送方針も決めておきます。
n8nの認証情報とAPIキーを安全に管理する方法
接続情報はCredentialsへ登録し、シートや通知文、CodeノードへAPIキーを直接書き込まない運用にします。
- ノードの認証情報欄から新規作成し、接続するサービスに合った認証方式を選びます。
- OAuth認証またはAPIキーなどの入力を完了し、保存した認証情報をノードで選択します。
- 接続権限と共有相手を必要な範囲に絞り、担当者交代時にはサービス側の認可も見直します。
CloudのGoogle Sheetsでは、認証画面のSign in with Googleから接続できます。セルフホストのOAuth2接続では、Google側でアプリを設定し、Client ID・Client Secretを登録します。
その際は、n8nに表示されるOAuth Redirect URLを、Google側へ正確に登録します。Google Sheetsへの接続では、Sheets APIに加えてDrive APIも有効にする必要があります。n8n公式:Google OAuth2
共有用JSONやHTTP Requestの設定を確認し、秘密情報が残っていない状態にしてから共有します。漏えいが疑われるキーは提供元で失効・再発行し、n8nに登録した認証情報も新しい値へ更新します。
顧客情報を外部へ送らない日報の設計
顧客情報を送らないためには、通知文を加工する前に、n8nが読むファイルを集計専用へ限定することが必要です。
| 場所 | 扱う情報の方針 |
|---|---|
| 日報専用ファイル | 日別集計値と集計管理の項目だけを置く |
| n8nへの入力 | 氏名、住所、注文番号、顧客ID、問い合わせ本文を含めない |
| チャット・AIへの送信 | 店舗全体の集計値と確認事項に限定 |
| エラー通知・実行ログ | 元データや認証情報を転記しない |
元の注文データをn8n Cloudへ取り込んだ後で氏名を削除しても、取り込み時点で外部環境へ移っています。
個人情報保護委員会は、統計情報でも、特定の個人との対応関係が排斥されていることを条件にしています。氏名のない細かな集計でも個人と結び付く可能性があるため、自由記述や属性別の細分化は避けます。個人情報保護委員会:統計情報のQ&A
n8nのセルフホストを選ぶときの注意点
セルフホストでは、更新・バックアップ・障害対応を利用者側の責任で継続できる体制が必要です。
公式ドキュメントでは、セルフホストの方法の一つとしてDockerで起動する手順が案内されています。データを残すボリュームとタイムゾーンの設定も、その手順に含まれています。n8n公式:Dockerでのインストール
データベースだけでなくCredentialsの暗号化キーも保護して保存し、復旧できることを確認します。通信のTLS化、実行データの保存・削除設定、監視も含め、無料のソフトウェア料金とは別に運用負担を判断します。
よくある質問(FAQ)
日報の自動化はAIなしでも作れますが、計算条件、認証、公開、失敗時の確認までそろえて運用します。
n8nは無料で使えますか
セルフホストのCommunity Editionはソフトウェア無料ですが、サーバーなどの運用費は別途必要です。Cloudには14日間・1,000回の無料トライアルがあり、恒久的な無料プランとは区別します。
n8nの日報通知にAIは必要ですか
必須ではなく、Codeで計算してEdit Fieldsなどで定型文にすれば、数値をチャットへ通知できます。
AIエージェントを組む場合は、AI Agentノードにチャットモデルと1つ以上のツールをつなぎ、使うツールをエージェントに判断させます。前日比のように計算で決まる値は、AIに任せずCodeで出す方が確かめやすくなります。n8n公式:AI Agent
比較対象日の売上がゼロでも前日比を出せますか
比較対象の売上がゼロなら増減率は計算せず、差額と「比較対象日は実績なし」などの表現を使います。
手動実行では動くのに毎朝通知されないのはなぜですか
Publishの完了、タイムゾーン、実行履歴を確認し、月間実行枠や接続先の認証状態も調べます。
LINEの古い通知手順を使ってもよいですか
旧Lineノードはn8n 1.64.0から非推奨で、公式は2025年4月1日以降は動作しないと案内しています。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
AI社員アプリ・運営代行・ECコンサルまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。
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