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AI生成画像の著作権を確かめる方法|店舗のバナーに使う前の素材・類似性・利用条件

日本では、AI生成画像の扱いが文化庁の「考え方」で整理され、創作的寄与があれば著作物になり得ます。既存作品に似ており、その作品に依拠していれば、著作権侵害の問題が生じる可能性があります。 店舗が気をつけるのは主に「使う段階」で、既存のキャラクター・ブランド・作品に似ていないかを確かめます。 プロンプトに作家名や作品名を入れず、作った日時とプロンプトを完成画像と一緒に残しましょう。確認日:2026年10月23日。
AI生成画像と著作権の考え方

AI生成画像の著作権は、学習の適法性、生成・利用の適法性、生成物の著作物性を分けて確認します。
文化庁の「考え方」は現行法の解釈を整理した資料であり、それ自体に法的な拘束力はありません。個別の法的判断は、制作記録と疑問点を整理したうえで、弁護士などの専門家に相談してください。
| 観点 | 文化庁が示す考え方 | 店舗が確認すること |
|---|---|---|
| 学習段階 | 非享受目的の利用には著作権法第30条の4が適用され得るが、必要な限度や例外がある | 学習に関する説明を、バナーの掲載許可と混同しない |
| 生成と利用段階 | 既存作品との類似性・依拠性、許諾や権利制限の適用を検討する | 生成できた画像でも、公開前に改めて確認する |
| 生成物の著作物性 | AIが自律的に生成したものは著作物に当たらず、人の創作意図と創作的寄与がある場合は著作物になり得る | 人が決めた表現や加筆・修正の過程を残す |
長いプロンプトや多い生成回数だけで、生成画像に著作権が認められるとは整理されていません。創作的な加筆部分に保護が認められても、AI生成部分の全体を当然に独占できるとは限りません。文化庁「考え方」39〜40頁
AI生成画像の類似性と依拠性
既存作品の創作的な表現との共通点と、その作品を基に制作されたかという経緯を確認します。
| 判断の軸 | 意味 | 店舗で見る具体例 |
|---|---|---|
| 類似性 | 既存作品の創作的な表現が共通していること | キャラクターの顔・衣装・持ち物、特徴的な構図や描写 |
| 依拠性 | 既存作品を基に作られたこと | 他店画像の入力、作品名を使った再現指示、制作の経緯 |
文化庁は、抽象的な作風がアイデアにとどまる場合と、具体的な創作的表現が共通する場合を区別しています。店舗では「雰囲気が違う」という印象で済ませず、顔や衣装など重なる部分を具体的に確認しましょう。
また、利用者が元作品を知らなくても、AIがその作品を学習していれば、通常は依拠性が推認されると整理されています。ただし、その創作的表現が出力される状態にない事情などを主張・立証し、否定される余地も示されています。
色の変更や反転について、適法になる変更率や安全な類似度の数値基準は、公開情報では確認できません。文化庁「考え方」概要
著作権と商標権・意匠権・パブリシティ権の違い
著作権の確認に加えて、ロゴ・商品形状・人物の顔には、それぞれ異なる権利の確認が必要です。
| 権利 | 主な保護対象 | 店舗での確認対象 |
|---|---|---|
| 著作権 | 写真・イラストなどの創作的表現 | 既存キャラクター、広告画像、背景の絵 |
| 商標権 | 商品・サービスの出所を示す名称やロゴなど | 衣服のマーク、看板、店舗ロゴ |
| 意匠権 | 法律上の対象となる登録デザイン | 商品形状、容器、パッケージなど |
| パブリシティ権 | 氏名・肖像等の顧客吸引力 | 有名人と認識されるモデルの広告利用 |
| 肖像権などの人格的利益 | 肖像等をみだりに利用されない利益 | 実在人物と認識される顔の無断利用 |
商標権・意匠権は、著作権と異なり原則として依拠性を必要としない点にも注意が必要です。一般の広告イラストがすべて意匠法上の「画像」に当たるわけではなく、対象や利用行為も検討します。
ロゴだけを消した商品形状や、写真を直接使わず生成した有名人風の顔も、確認対象に含めましょう。経済産業省「生成AI利活用ガイドブック」
AI画像生成サービスの利用規約と生成物の扱い
生成物の契約上の扱いはサービスや利用経路によって異なり、商用利用の条件と併せて確認します。
以下は確認日時点の公式規約の要約であり、日本法上の著作権の成立や、第三者の権利処理を保証するものではありません。
| サービス・利用経路 | 生成物の扱い | 店舗が確認する利用条件 |
|---|---|---|
| OpenAI・個人向けChatGPT等 | 法律で許される範囲で利用者が出力を所有し、OpenAIが有する出力の権利があれば譲渡 | 入力に必要な権利・許諾、第三者の権利、出力の非独占性。利用規約 |
| OpenAI・APIやBusiness等 | 法律で許される範囲で顧客が出力を所有し、OpenAIが有する権利があれば譲渡 | 法人・API向けの適用契約、入力権限、出力利用の責任。法人向け契約 |
| Google・一般向けGemini | Googleは生成されたオリジナルコンテンツの所有権を主張しない | 一般規約・追加規約・禁止用途を確認。所有権を主張しないことを無条件の商用利用保証と読まない。利用規約 |
| Google・Gemini APIやAI Studio | Googleは所有権を主張せず、同一・類似の出力を他者にも生成し得る | 適法な利用は利用者の責任。無償・有償でデータ利用条件が異なる。API追加規約 |
| Google Cloudの生成AI | 出力は顧客データであり、Googleは出力に生じた新たな知的財産の所有権を主張しない | 契約対象サービス、禁止用途、補償の対象と除外条件。サービス別規約 |
| Adobe・Firefly等 | 入出力を利用者のContentとして扱い、Adobeは所有権を主張しない | Fireflyの正式機能の出力は商用利用可能。ベータ機能も製品内に明示的な別段の定めがなければ可能。一般規約・追加規約・FAQ |
| Canva・AI製品 | 法律で許される最大限の範囲で利用者が出力を所有。ただしライブラリー素材の改変・組込みには例外 | 適法な目的で規約に従って利用。素材を含む場合はコンテンツライセンスも適用。AI規約 |
Canvaのライブラリー写真をAIで編集した場合、その出力を利用者が所有するわけではないと明記されています。素材のライセンスには商標への使用制限や、Editorial Use Only素材の商用・広告利用禁止もあります。Canvaコンテンツライセンス
「商用利用できる」「著作権が成立する」「第三者の権利を侵害しない」は、別々の確認事項です。
バナーに使う前の確認

バナーは完成画像だけでなく、参照素材、プロンプト、利用条件、制作記録をまとめて点検します。
| 確認欄 | 点検項目 | 確かめる内容 |
|---|---|---|
| □ | 似ていないか | キャラクターの具体的表現、他店広告の特徴的な構図、ブランド表示 |
| □ | 写り込み | 背景の看板、衣服のマーク、包装、絵、人物の顔 |
| □ | 参照画像の権利 | AI入力・改変・広告掲載まで許諾されているか |
| □ | プロンプト | 作家名・作品名・人物名などで模倣を指示していないか |
| □ | サービスの条件 | 利用経路、プラン、商用利用、組み込んだ素材のライセンス |
| □ | 記録 | 生成日時、指示、元画像、修正履歴、画像検索の結果 |
これは文化庁のチェックリストを基にした店舗向けの運用例であり、実施すれば非侵害が保証されるものではありません。生成画像を拡大した点検に加え、完成バナーで文字や写真と組み合わせた状態も確認しましょう。文化庁「チェックリスト&ガイダンス」
参照画像の権利とプロンプトの確認方法
参照画像は掲載許可だけで判断せず、AIへの入力や改変まで許されているかを確認します。
| 素材の入手元 | 確認する内容 |
|---|---|
| 自店で撮影 | 撮影者との権利関係、人物・作品・ロゴの写り込み |
| メーカー・仕入先 | 商品ページ掲載に加え、AI入力・改変を認める許諾 |
| 制作会社・外注先 | 第三者素材の有無、契約上の利用範囲、AI利用の条件 |
| 素材サービス | 広告利用・改変・AI入力の条件と禁止事項 |
文化庁は、元画像に似た生成物を作る目的の入力では、第30条の4が適用されない場合があると説明しています。他店の商品写真を渡して商品だけを置き換える場合も、入力と完成画像の利用を分けて検討します。
制作担当者には、次の順番で指示を組み立ててもらうと、模倣を避けるルールを共有しやすくなります。
- 作家名や作品名を使わず、必要な用途、色、材質、構図などを具体的な言葉に置き換えます。
- 「特定作品そっくりに」ではなく、「淡い水彩、広い余白」など見た目の要素を指定します。
- 指示を変えても既存作品に似た画像が出る場合は、その候補を保留し、設定から作り直します。
名前の入力だけで必ず侵害になるわけではありませんが、既存作品の認識や依拠性の判断に関わり得ます。文化庁「チェックリスト&ガイダンス」
Googleレンズで似た画像を確かめる方法
画像検索ではバナー全体と気になる部分を調べ、似た画像の元ページまで開いて確認します。
Googleレンズは、類似画像や、その画像・類似画像が掲載されたWebサイトを探すために利用できます。以下は公式のアップロード操作に、店舗で行う類似確認と制作記録の手順を加えた運用例です。Google公式ヘルプ
- パソコンでGoogle検索を開き、検索欄の「画像で検索」から画像を調べる操作に進みます。
- 「ファイルをアップロード」で生成画像を選び、類似画像や掲載サイトの検索結果を確認します。
- バナー全体を調べた後、キャラクター、ロゴらしい図形、容器など気になる部分も個別に調べます。
- 近い画像の元ページを開いて、作品・商品・ブランドの情報と、具体的に共通する表現を確認します。
- 検索日、検索した画像、気になった結果のURL、採用・保留の判断理由を制作記録に残します。
画像検索で見つからないことは非侵害の保証ではなく、似た画像が見つかっただけで侵害が確定するわけでもありません。気になる類似が残る場合は採用を保留し、許諾の確認や作り直し、専門家への相談につなげましょう。
外注先から届いた画像がAI生成かを見分ける方法
AI生成画像かどうかの見分け方として、Geminiアプリでは画像を添付してGoogle AIで作成・編集されたかを尋ねられます。SynthIDの電子透かしで判定する仕組みで、対象はGoogle AIツールで作られたコンテンツに限られます。Gemini アプリ ヘルプ
透かしが検出されなくても、他社のAIで作られた可能性は残ると公式ヘルプに明記されています。C2PA形式のコンテンツ認証情報も、対応した機器やアプリのファイルにしか付かず、それだけでAI生成かは判定できません。判定の結果は制作記録の一つとして残し、使用サービスの申告は外注先から受け取りましょう。
楽天市場の知的財産に関する公開規約
楽天市場では、公開出店規約とガイドラインにある第三者の権利や掲載許諾の条件を確認します。
| 公開規約で確認できる内容 | 店舗で行う確認 |
|---|---|
| 他者の知的財産権等の侵害や、そのおそれのある行為の禁止 | AI生成でも第三者の権利を点検する |
| 第三者の著作物の掲載・登録に関する事前許諾 | 店舗の利用・改変だけでなく、規約所定の楽天側等の利用も許諾範囲に含まれるか確認する |
| 他人の氏名・肖像・著作物の掲載許諾 | 人物やイラストの権利者による許諾を確かめる |
| Rakuten AI for RMSの入力権限・生成結果の採否確認 | 入力の権限を持つことを確認し、店舗の責任で結果を点検する |
公開出店案内でも、掲載許可を確認できない画像の転載を禁止しており、Web上の画像を自由に流用できるわけではありません。楽天のAI機能も第三者の権利の非侵害を保証せず、店舗が関連法令等を確認して採否を決める規定です。公開出店案内・出店規約・店舗運営ガイドライン
公開版は出店後の店舗向け参考情報等を削除した資料のため、実務上の詳細はRMSの管理画面内の案内から辿ります。
AI生成画像の制作記録と権利侵害を指摘されたときの対応
完成画像と制作過程を一緒に保存し、確認の経緯を担当者以外にも説明できる状態にします。
| 記録する項目 | 保存する内容 |
|---|---|
| 制作情報 | ファイル名、生成日時とタイムゾーン、サービス・モデル・プラン |
| 指示と素材 | 最初と追加のプロンプト、参照画像、入手元、許諾の根拠 |
| 人の編集 | 生成直後の画像、修正履歴、編集可能データ、最終バナー |
| 掲載前の確認 | 規約の確認日、画像検索の結果、確認担当者、採用理由 |
| 掲載・差し替え | 使用先、掲載期間、差し替えた画像と判断の経緯 |
文化庁は、プロンプトなど生成過程を確認できる状態の確保を望ましい取組として挙げています。上記は店舗向けの記録例であり、一律の保存期間は、今回確認した文化庁・楽天の公開資料では確認できません。文化庁「チェックリスト&ガイダンス」
権利侵害の指摘が届いた場合には、次の手順で事実を整理し、担当者だけで結論を急がないようにします。
- 指摘された画像、掲載先、指摘内容と受信日時を保存し、制作・掲載の記録を保全します。
- 元作品と指摘箇所を確認し、確認中の掲載を止めるか、別の画像に差し替えるかを検討します。
- 制作記録、許諾の根拠、画像検索の結果をまとめ、弁護士などの専門家と対応を検討します。
AIを使った運用の相談
株式会社ラクダは、EC事業者のAI顧問としても活動しています。AIを業務に取り入れるときの決めごとや運用の見直しは、お問い合わせからご相談いただけます。
株式会社ラクダ|お問い合わせ
よくある質問(FAQ)
AI生成画像の利用では、商用利用、著作権の成立、他者の権利、制作記録を切り分けて確認することが大切です。
AI生成画像には必ず著作権がありますか?
文化庁は、AIが自律的に生成したものと、人の創作意図・創作的寄与がある場合を区別しています。長い指示や生成回数だけで決まらず、個別の制作過程を踏まえて検討するという整理です。文化庁「考え方」
商用利用できるサービスなら楽天のバナーに使えますか?
商用利用条件を満たすことに加え、参照素材や完成画像の権利、楽天の規約を確認する必要があります。サービスとの契約上の利用許可だけで、第三者の権利まで処理されるわけではありません。
作家名や作品名を入力しなければ安全ですか?
固有名詞を使わない運用は役立ちますが、それだけで完成画像の権利問題がなくなるわけではありません。既存作品の具体的な表現が現れていないか、入力素材と完成画像を併せて確認しましょう。
画像検索で似たものが出なければ使えますか?
検索結果に見当たらないことだけでは、既存作品との関係や、他の権利の問題まで判断できません。ロゴ、人物、商品形状の点検に加え、参照画像やサービスの利用条件についても確認が必要です。
外注したAI生成バナーも店舗で確認しますか?
外注先から使用サービス、素材の入手元、許諾範囲、生成・編集記録を受け取り、掲載前に確認しましょう。権利の扱いと記録の納品を契約時に決めておくと、問い合わせにも対応しやすくなります。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
AI社員アプリ・運営代行・ECコンサルまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。
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