ホーム > 楽天店舗・RMS
楽天TDA広告とは?RPPとの違い・費用・ターゲティングを出店者向けに解説

楽天TDA(ターゲティングディスプレイ広告)は、楽天市場内などにバナーを出す「ディスプレイ型」の広告です。検索している人を狙うRPP(検索連動)とは役割が異なり、TDAは属性や閲覧・購買履歴でユーザーを絞り、認知拡大や再訪促進を得意とします。課金はクリックではなく表示回数(Vimp)で、最低予算やバナー審査のハードルはRPPより高めです。この記事では両者の違いと使い分けを、出店者目線で整理します。
楽天TDA広告とは?ディスプレイ広告の基本
楽天TDA広告は、楽天市場内の各所にバナーを表示する「ターゲティングディスプレイ広告」です。
TDAは「Targeting Display Ads」の略で、狙ったユーザー層にバナーを配信する広告メニューです。商品を検索した人に出すのではなく、楽天の会員情報・閲覧履歴・購買履歴をもとに「この人に届けたい」という層へバナーを表示します。役割は主に、まだ自店を知らない潜在層への認知拡大、セール告知、一度来店した人の再訪促進です。以下がTDAの基本的な特徴です。
- 広告タイプ:バナー型のディスプレイ広告
- 狙う層:潜在層から再訪層まで(認知・興味・リピート)
- 課金方式:インプレッション課金(表示回数で課金)
- リンク先:商品・店舗トップ・カテゴリなどから選べる
- ターゲティング:属性・閲覧履歴・購買履歴・会員ランク等で絞れる
検索から今すぐ買う人を刈り取るRPPに対し、TDAは「買う前の段階の人に自店を知ってもらう」広告だと捉えると分かりやすいです。
TDAとRPPの違い ── 検索連動とディスプレイの役割分担

TDAはバナーで認知を広げる広告、RPPは検索結果で刈り取る広告という違いがあります。
両者は課金方式・配信面・リンク先・ターゲティングまで設計思想が異なります。下の比較表で全体像を押さえてください。数値はいずれも改定されやすいため、最新は楽天広告の公式情報で確認してください。
| 項目 | 楽天TDA広告(ディスプレイ) | 楽天RPP広告(検索連動) |
|---|---|---|
| 広告タイプ | バナー型ディスプレイ広告 | 検索連動型(検索結果に商品を表示) |
| 狙う層 | 潜在層〜再訪(認知・興味・リピート) | 顕在層(今まさに検索している人) |
| 配信面 | 楽天市場内の各所+設定でグループ内メディア | 楽天市場の検索結果ページ |
| 課金方式 | インプレッション課金(Vimp) | クリック課金(CPC) |
| 配信単価の目安 | Vimp 0.75円〜(入札制) | CPC 10円〜(入札制) |
| 最低予算の目安 | 月50,000円〜 | 月5,000円〜 |
| リンク先 | 商品/店舗トップ/カテゴリ等から選択可 | 商品ページ(楽天が自動選択・指定不可) |
| ターゲティング | 属性+閲覧履歴+購買履歴+会員ランク等 | 検索キーワード(+除外設定) |
| クリエイティブ | 自作バナー(4サイズ・審査厳しめ) | 商品情報を自動利用(バナー制作不要) |
| 主な役割 | 認知拡大・ブランディング・再訪促進 | 顕在層の刈り取り・検索からの獲得 |
ポイントは3つです。第一に、TDAは「表示」で課金しRPPは「クリック」で課金します。第二に、TDAはリンク先を自分で選べますがRPPは商品ページに固定されます。第三に、TDAは履歴や属性でユーザーを絞り、RPPは検索キーワードで人を捉えます。狙う相手が「潜在層か顕在層か」で使い分けるのが基本です。
TDAの配信面はどこ?楽天市場内のどこにバナーが出るのか
TDAのバナーは、楽天市場内の閲覧履歴の横や検索結果画面の左などに表示されます。
配信面は楽天市場内の複数箇所で、ユーザーが回遊する導線上にバナーが差し込まれるイメージです。設定によっては楽天グループ内のメディアにも配信されます。RPPが検索結果ページに限られるのに対し、TDAは検索していない人の目にも触れる点が特徴です。これにより、まだ検索行動に至っていない潜在層へのリーチが可能になります。なお具体的な掲載枠や配信範囲は改定されやすいため、最新の掲載面は楽天広告の公式資料で確認してください。
TDAの課金の仕組み ── インプレッション課金(Vimp)とは
TDAはクリックではなく「バナーが見える形で表示された回数(Vimp)」で課金されます。
Vimpはビューアブルインプレッションの略で、「バナーの50%以上が1秒以上表示されたタイミング」で1回とカウントされます。つまり画面の下に隠れて見えていない表示は課金対象になりません。クリックされなくても、見える形で表示されれば費用が発生する点がRPP(クリック課金)との大きな違いです。認知目的では「多くの人に見てもらう」こと自体に価値があるため、この課金方式が採用されています。逆に「クリックした人だけに課金してほしい」場合はRPPのほうが相性が良い、と整理できます。
TDAの費用・最低出稿金額 ── 月5万円〜が目安
TDAの最低出稿金額は月50,000円〜、配信単価はVimp 0.75円〜が目安とされています。
費用の目安は次の通りです。いずれも複数の解説で一致している数値ですが、楽天の広告仕様・単価は改定が多いため、正確な金額は必ず楽天広告の公式情報で確認してください。
| 項目 | TDAの目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 最低出稿金額 | 月50,000円〜 | RPP(月5,000円〜)より高め |
| 配信単価 | Vimp 0.75円〜 | 入札制。上げると掲載されやすくなる傾向 |
| 課金対象 | 表示回数(Vimp) | クリックの有無に関わらず計上 |
単価は入札制で、上げると競合より掲載されやすくなる傾向がありますが、「上げれば必ず上位」という単純な仕組みではありません。2022年の機能改修で入札制へ移行しており、刻み幅や上限は時期によって変わり得るため、「0.75円〜」はあくまで下限の目安として扱ってください。RPPが最低5,000円から始められるのに対し、TDAは月5万円〜が目安となるため、小さく試したい店舗にはややハードルが高い水準です。
TDAのターゲティング ── 属性・閲覧履歴・購買履歴で絞る
TDAは属性・閲覧履歴・購買履歴・会員ランクなどを組み合わせて配信先を絞れます。
楽天の会員登録情報や閲覧・購入の履歴を使えるのがTDAの強みです。設定できるセグメントは多彩で、複数条件を組み合わせて狙った層に届けられます。主なターゲティング項目は次の通りです。
- 属性:性別・年齢・地域・会員ランクなど
- 閲覧履歴:ジャンル別(第一階層38ジャンル/第二階層530ジャンル)
- 購買履歴:ジャンル別(第一階層38ジャンル)
- 購入回数などの行動データ
たとえば「特定ジャンルを閲覧した女性」「過去に購入経験のあるリピーター」といった絞り込みができます。閲覧・購買履歴を使えば、一度来店した人へ再アプローチするリターゲティング的な使い方も可能です。検索キーワードで人を捉えるRPPとは異なり、「どんな人か」で配信先を設計できる点がTDAの中核的な価値です。
TDAのリンク先とバナー ── 選べる強みと審査の壁
TDAはリンク先を選べる自由度がある一方、バナー制作と審査のハードルがあります。
リンク先は商品ページだけでなく、店舗トップ・カテゴリ・GOLD(店舗内の作り込みページ)などから選べます(店舗内検索結果へのリンクは不可とされています)。RPPが商品ページに自動で固定されるのに対し、TDAはセールやキャンペーンを店舗トップへ誘導するなど、企画訴求・回遊設計に向いています。
一方で、バナーのレギュレーションと審査は厳しめです。
- フォントサイズの規定(おおむね28〜80px)
- ロゴ外側の余白(16px以上など)
- テキストはバナー面積の1/3以下
- 必要なバナーは4サイズを用意
これらを満たさないと差し戻しになり、入稿・審査に時間がかかります。バナーを作れる制作リソースがあることが、TDA活用の前提条件になります。
TDA-EXPとは?楽天市場の外へ広げる拡張メニュー
TDA-EXP(TDAエクスパンション)は、配信面を楽天市場の外へ広げる拡張メニューです。
TDA-EXPは2023年11月14日に追加されたメニューとされ、楽天グループ関連サービス以外のさまざまな外部メディアへも配信できると解説されています。RPPやクーポンアドバンス、楽天内のTDAでは届かない新規ユーザーへのアプローチを狙う位置づけです。ただしEXPの配信範囲や提供状況は改定されやすく、ここでの記述は解説記事ベースのため、実際に利用できるかどうか・配信先の範囲は楽天広告の公式情報で確認してください。断定せず、あくまで「そうした拡張メニューが案内されている」という理解に留めるのが安全です。
どんな店舗にTDAは向く?RPPとの使い分け
TDAは認知・再訪を広げたい店舗に向き、小資本の刈り取りはRPPから始めるのが現実的です。
向き・不向きを整理すると次の通りです。
| 状況 | 向く広告 | 理由 |
|---|---|---|
| 新ブランド・オリジナル商品の認知を広げたい | TDA | バナー×セグメント配信で潜在層に届く |
| セールを店舗トップ/カテゴリへ誘導したい | TDA | リンク先を選べ、回遊・企画訴求に向く |
| 来店済みユーザーを再訪させたい | TDA | 閲覧・購買履歴で再アプローチできる |
| まず小さく検索から刈り取りたい | RPP | 月5,000円〜で始めやすい |
| 販売実績が浅い/予算が小さい | RPP先行 | TDAは枠を取りにくく認知だけで終わりやすい |
TDA活用の前提は、月5万円〜の予算と、4サイズのバナーを用意できる制作リソースです。この条件を満たしにくい場合や、販売実績が浅い場合は、まずRPPで顕在層を獲得し、TDAは認知・再訪の上積みとして併用するのが現実的です。両者は競合ではなく、ファネルの上流(TDA=認知)と下流(RPP=刈り取り)を分担する関係だと捉えてください。
TDA運用でつまずくポイントと見直し
TDAは「枠が取れない」「効果が薄い」でつまずきやすく、入札とセグメントの見直しが要点です。
運用でよくある課題と対処の方向性は次の通りです。
- 枠が取れない:入札単価が競合より低い可能性。単価やセグメントを見直す
- 効果が薄い:ターゲティングが広すぎないか、履歴セグメントで絞り込む
- バナーが差し戻される:レギュレーション(文字量・余白・サイズ)を再確認する
- 費用対効果が読みにくい:認知目的(表示)と獲得目的(RPP)を分けて評価する
TDAは表示課金のため、クリックや購入だけで単純に費用対効果を測ると評価を誤りやすい点に注意してください。認知・再訪という役割に沿って、リーチや再来訪の変化も含めて見直すことが大切です。
関連する自動化ツール
RPP広告の運用を自動化(ラクリプ) ── 楽天RPP(検索連動広告)の入札・運用を自動で調整します。
よくある質問(FAQ)
Q. 楽天TDAとRPPはどちらを先に始めるべきですか? A. 予算が小さい、または販売実績が浅い段階では、月5,000円〜で始められるRPP(検索連動)から着手するのが現実的です。TDAは認知・再訪の上積みとして併用する位置づけが向いています。
Q. TDAの費用はいくらからですか? A. 最低出稿金額は月50,000円〜、配信単価はVimp 0.75円〜が目安とされています。ただし単価・最低予算は改定が多いため、最新は楽天広告の公式情報で確認してください。
Q. TDAはクリックされなくても費用がかかりますか? A. かかります。TDAはクリックではなく、バナーが見える形で表示された回数(Vimp)で課金されます。50%以上が1秒以上表示されると1回として計上されます。
Q. TDAのバナーは何サイズ必要ですか? A. 必要なバナーは4サイズを用意するとされています。フォントサイズや余白、テキスト量の規定があり、満たさないと差し戻しになるため、制作リソースの確保が前提です。
Q. TDA-EXPは楽天市場の外にも広告を出せますか? A. TDA-EXPは配信面を楽天市場の外(グループ外メディア)へ広げる拡張メニューとして案内されています。ただし提供状況・配信範囲は改定されやすいため、断定せず公式情報で確認してください。
Q. TDAのリンク先は自由に選べますか? A. 商品ページのほか、店舗トップ・カテゴリ・GOLDなどから選べます(店舗内検索結果へのリンクは不可とされています)。リンク先を選べない自動配信のRPPとの大きな違いです。
参考
- finner「楽天市場広告(TDA)の仕組み・費用・ターゲティング」 https://finner.co.jp/media/20230918a/
- bxo「楽天広告の種類・比較(TDA/RPP)」 https://bxo.co.jp/magazine/3796
- wasabi「楽天広告ガイド」 https://wasabi-inc.biz/guide/rakuten_advertisement/
- 5springs「TDAの設定」 https://www.5springs.co.jp/blog/tda-setting/
- savari「楽天ネットショップ広告コラム」 https://savari.jp/columns/netshop/category/20250825/
- 楽天広告 媒体資料(TDA・PDF) https://maker-showroom.rakuten.co.jp/inc/solution/pc/download/mediaguide_rakutenad_tda.pdf
※単価・最低予算・配信面・提供状況(TDA-EXP等)は改定されやすいため、本記事の数値・仕様は「目安」です。最新は楽天広告の公式情報でご確認ください。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



