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楽天の在庫設定・在庫切れの扱い完全ガイド|在庫連動・非表示・売り越し防止まで

楽天RMSの在庫設定は「通常在庫」と「項目選択肢別在庫」の2種類があり、バリエーション商品は後者を使います。在庫切れ商品は「倉庫指定(倉庫に入れる)」で一覧から非表示にでき、多店舗運営では在庫連動(自動同期)で在庫差異や売り越しのリスクを低減するのが基本です。この記事では設定手順・CSV一括・在庫連動・売り越し対策までを一気に整理します。
楽天の在庫設定は「通常在庫」と「項目選択肢別在庫」の2種類
楽天の在庫設定は、商品まるごとで在庫を持つ「通常在庫」と、サイズやカラーなど選択肢ごとに在庫を持つ「項目選択肢別在庫」の2種類に分かれます。
バリエーションのない単品商品は「通常在庫」で、商品ページ単位に在庫数を1つ持たせる形です。一方、サイズ・カラーなどの選択肢がある商品は「項目選択肢別在庫」を使い、選択肢の組み合わせごとに個別の在庫数を持たせます。どちらを選ぶかで、購入者が在庫切れの選択肢を選べるかどうかが変わります。
| 種類 | 在庫の持ち方 | 向く商品 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 通常在庫 | 商品ページ単位で在庫数1つ | 単品・バリエーションなし | 設定がシンプル |
| 項目選択肢別在庫 | 選択肢の組み合わせごとに在庫数 | サイズ・カラー等がある商品 | 選択肢単位で売り切れ表示できる |
なお項目選択肢別在庫を設定すると、その商品では通常在庫の在庫数は設定できなくなります。二重に持たせる運用はできない点を押さえておきましょう。
バリエーション商品の在庫設定手順(項目選択肢別在庫の違い)

サイズ・カラーなどがある商品は「項目選択肢別在庫」の設定が必須で、通常在庫とは入力画面そのものが違います。
RMSの商品登録・更新画面で「項目選択肢別」のタブにチェックを入れると、入力画面が項目選択肢別在庫の形に切り替わります。ここで横軸・縦軸の項目名(例:横軸=サイズ、縦軸=カラー)を入力し、その組み合わせごとに在庫数を入れていきます。
具体的な手順は次のとおりです。
- 商品登録・更新画面で対象商品を開く
- 「項目選択肢別」タブにチェックを入れる(入力画面が切り替わる)
- 横軸・縦軸の項目名を入力する(例:横軸サイズ、縦軸カラー)
- 選択肢の組み合わせごとに在庫数を入力する
- 保存する
チェックを入れると通常在庫の在庫数欄は使えなくなるため、バリエーション商品は最初から項目選択肢別で組む前提で設計すると迷いません。
在庫更新の手段(手動・CSV・API)の違いを比較
在庫を更新する手段は「手動(RMS画面)」「CSV一括」「API・一元管理システム」の3つがあり、商品点数と店舗数で最適解が変わります。
商品が少なく単発対応なら手動で十分ですが、点数が増えるとCSV一括が効率的です。楽天以外のモールも運営する多店舗運営では、API・一元管理による自動同期が売り越しリスク低減の要になります。それぞれの向き・不向きを表で整理します。
| 手段 | やり方 | 向くケース | メリット | デメリット・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 手動(RMS画面) | 商品登録・更新で1商品ずつ在庫数/倉庫指定を編集 | 商品点数が少ない・単発の在庫切れ対応 | 導入コストゼロ/すぐできる | 多商品・多店舗だと手間が大きく、更新漏れが在庫ズレ・売り越しの元 |
| CSV一括 | SKUごとの在庫数・商品単位の在庫表示・倉庫指定・SKU倉庫指定を編集しnormal-item.csvをアップロード | 500点以上・入替が頻繁な単一店舗 | まとめて更新でき作業時間を短縮 | ファイル名・列仕様のミスでエラー、他モールとは自動連動しない(楽天内のみ) |
| API・一元管理 | RMS API連携やOMSで自動同期(数分〜15分間隔) | 楽天+Amazon+Yahoo!等の多店舗運営 | 各モールの在庫更新を自動化し、在庫差異や売り越しのリスクを低減 | 月額コスト・初期設定、SKU移行時は連携設定の更新が必要、APIはレート制限があり、全モールへの同時反映は保証されない |
単一店舗で点数が多いならCSV一括、複数モールを運営するなら一元管理、という切り分けが基本です。
CSV一括での在庫設定(SKU別の在庫数・表示・公開設定)
現行のnormal-item.csvでは、在庫はSKUレベル行の「在庫数」で設定します。単品のシングルSKUもSKU1つ分を登録し、各行を「商品管理番号(商品URL)」で紐付けます。SKUレベル行には「SKU管理番号」も必要です。
選択肢ごとの在庫はバリエーションで表現します。商品レベル行の「バリエーション項目キー定義」「バリエーション項目名定義」「バリエーション1-6選択肢定義」で項目と選択肢を定義し、SKUレベル行の「バリエーション項目キー1-6」「バリエーション項目選択肢1-6」で各SKUに割り当てます。1-6は設定数に応じた列番号です。
| 設定する列 | 入力する行 | 指定内容 |
|---|---|---|
| 在庫数 | SKUレベル行 | 0〜99999。更新時は増減指定も可能 |
| 在庫表示 | 商品レベル行 | -1:残り在庫数を表示、0:表示しない、1〜20:指定の数で△表示 |
| 倉庫指定 | 商品レベル行 | 0:販売中、1:倉庫に入れる |
| SKU倉庫指定 | SKUレベル行 | 0:販売中、1:倉庫に入れる |
商品が倉庫指定1なら商品ページは非表示です。商品が0でも全SKUが倉庫指定1なら非表示になり、一部SKUが0ならページは表示され、倉庫に入れたSKUの情報は表示されません。
更新前にバックアップを取り、編集したnormal-item.csvをSFTPでアップロードします。文字化けが起きた場合は、公式「CSV商品一括編集機能の概要」とデータ形式マニュアルで作成・保存時の注意点を確認してください。バリエーションの具体的な編集方法は、SKU移行後のバリエーション設定で解説しています。
在庫切れ商品は購入者からどう見える?(在庫ありのみ)
在庫切れ商品は購入できない状態で表示され、購入者は検索の「その他の条件」にある「売り切れを含む」の選択を外すことで、売り切れ商品を検索対象から除外できます。現行の公式ヘルプでは、この項目を選択すると売り切れ商品も検索できると案内されています。楽天市場公式ヘルプ「商品の検索方法」
商品タイトルに【在庫あり】と書かれていても、実際には在庫切れになっている場合があります。そのため購入者側で売り切れ商品を除いて探したいときは、「売り切れを含む」の選択が外れていることを確認します。店舗側から見ると、在庫を0のまま放置すると売り切れ商品が一覧に残る場合がある点に注意が必要です。
店舗として在庫切れ商品を一覧に残したくない場合は、次の「倉庫指定」で非表示にする運用が有効です。
在庫切れ商品を非表示にする方法(倉庫指定 0・1)
売り切れ・在庫切れ商品を店舗側で一覧から非表示にするには「倉庫指定(倉庫に入れる)」を使います。
RMSの商品登録・更新で対象商品を編集し、倉庫指定を「倉庫に入れる」にすると、その商品は店舗の一覧・検索から外れます。CSVで一括処理する場合は倉庫指定の列を使い、0が販売中、1が倉庫(=非表示)を意味します。
| 倉庫指定の値 | 状態 | 見え方 |
|---|---|---|
| 0 | 販売中 | 一覧・検索に表示される |
| 1 | 倉庫(に入れる) | 一覧・検索から外れる(非表示) |
500点を超えるような店舗では、非表示にしたい商品をCSVで倉庫指定1に一括変更すると効率的です。在庫切れ商品を「倉庫に入れる」で非表示にしておけば、売り越し注文そのものの発生を抑えられます。
多店舗の在庫連動とは(楽天・Amazon・Yahoo!の同期)
在庫連動とは、複数モールの在庫を1つの実在庫に合わせて自動で揃える仕組みで、多店舗運営で在庫差異や売り越しのリスクを低減する基盤です。
一元管理(EC一元管理システム)を入れると、受注・在庫・商品を1画面で管理でき、1店舗で売れると他店舗の在庫も自動で更新できます。たとえば楽天で1個売れて在庫が9個になると、システムがYahoo!側の在庫も9個に揃える更新処理を行います。ただし各販売先での処理が必要で、Amazonには非同期処理もあるため、全店舗への同時反映や売り越しの完全防止は保証できません。Amazon公式「Building Listings Management Workflows Guide」
同期のタイミングはツールやプランで異なり、数分〜15分間隔で自動同期する構成が一般的です。売れてから同期までのタイムラグが短いほど、売り越しリスクは下がります。
多店舗連携では、Amazon側の旧形式への依存も確認しましょう。2025年6月の公式更新で対応終了日が同年7月31日に変更され、同日から在庫を含む旧XML・フラットファイルの出品フィードは対応終了と案内されています。Amazon公式「SP-API Release Notes」
売り越し(在庫ズレ)が起きる原因と対策の手順
売り越し(在庫ズレ)の主因は手動更新や同期のタイムラグで、自動同期・安全在庫・倉庫指定を組み合わせてリスクを低減します。
複数モールで同じ実在庫を売っていると、他モールで売れた分の在庫更新が楽天側に間に合わず、在庫切れの商品がそのまま売れ続けて売り越しが起こります。手動更新に頼るほどタイムラグが広がり、在庫ズレが起きやすくなります。対策は次の手順で組みます。
- 多店舗は一元管理システム・API連動で在庫を自動同期する(手動更新による遅れを減らし、各販売先への反映を確認)
- 安全在庫(バッファ)を設定する(同期間隔の間に売れる分を見越し、実在庫より少なめに出す)
- 在庫更新の優先順位を決める(例:実店舗>楽天>自社サイト。どのチャネルの在庫を正とするか)
- 在庫切れ商品は「倉庫に入れる」で非表示にし、売り越し注文の発生を抑える
- SKU移行後は連携ツールの設定を更新し、CSV仕様変更に追随させる
なお、あるAPI実装の事例では在庫同期を15分間隔で回すことで売り越し率が5%から0.5%へ下がったと報告されていますが、これは1社の事例値であり、すべての店舗に当てはまる一般値ではありません。
Yahoo!ショッピングでは、2025年12月17日に在庫更新APIのエラーコードが追加されています。st-02108は在庫クローズ指定の件数不一致、st-02109は不正値、st-02110は1商品に対する個別商品コード数の上限400件超過を扱います。連携処理のエラー監視にも反映しましょう。Yahoo!ショッピング公式「在庫更新API」
リアルタイム在庫同期とAPIレート制限の注意点

RMSの在庫管理APIを使うとリアルタイムに近い在庫同期を目指せますが、APIにはレート制限があるため設計に注意が必要です。
RMS API連携では在庫更新を自動化できますが、全モールへの反映時間は各販売先の処理にも左右されます。またAPIには更新回数の上限(1分間に60回程度など)が設けられており、無制限に叩けるわけではありません。そのため、更新の優先順位を決めることや、安全在庫を持たせて多少の遅延を吸収することが実装のポイントになります。最新の制限値は変わり得るため、最新は公式で確認してください。
Amazonは2025年5月28日、Listings Items APIでJSON Patchのmerge操作への対応を発表しました。在庫数量を部分更新する際、補充予定日や出荷までの日数などの任意項目を同時送信せずに更新できると案内されています。Amazon公式「SP-API Release Notes」
SKU移行で在庫の持ち方はこう変わった
通常在庫と項目選択肢別在庫という在庫の持ち方は、現行仕様ではシングルSKUとマルチSKUとして整理できます。どちらも在庫数・通常購入販売価格はSKU単位で設定し、選択肢がある商品はバリエーションと各SKUを紐付けます。
「SKU倉庫指定」はSKUの公開・非公開を切り替える項目です。出荷元の倉庫を選ぶ設定ではありません。
CSVで「バリエーション項目キー定義」「バリエーション1-6選択肢定義」を変更すると、既存SKUが削除され、全SKUの再登録が行われます。この処理では変更前と重複しないSKU管理番号が必要なため、在庫連携先との番号の対応も確認しましょう。
公式資料の「在庫タイプ」は在庫の持ち方を指す語です。購入後にシングルSKUとマルチSKUを切り替えたり、バリエーションを編集したりすると、注文の修正・キャンセルに伴う在庫連動がエラーになる場合があります。その場合も注文の修正・キャンセル自体は完了しているため、在庫数を確認して必要に応じて修正します。
在庫運用を自動化して売り逃し・売り越しをなくすには
在庫切れの非表示・多店舗の自動同期・安全在庫を仕組みで回すことが、売り逃しと売り越しを同時に減らす近道です。
総務省統計局の2025年調査では、全国の二人以上世帯におけるネット通販利用世帯割合は年平均56.9%でした。これは月次割合の12か月単純平均で、回答母数は当該資料に記載されていません。在庫運用の重要性を考える背景資料であり、同期効果や売り越し率を示す数値ではありません。総務省統計局「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(2025年平均結果)」
単一店舗で点数が多いならCSV一括で在庫と倉庫指定をまとめて更新し、複数モールを運営するなら一元管理・API連動で在庫を自動同期する——この使い分けが基本方針です。手動更新に依存するほど更新漏れとタイムラグが増え、在庫ズレの温床になります。設定手段を商品点数・店舗数に合わせて選び、在庫切れ商品は倉庫指定で非表示にして、売り越し注文の発生リスクを減らすところから始めるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 通常在庫と項目選択肢別在庫はどう使い分けますか? 単品で在庫を持つか、サイズ・カラーなどの組み合わせごとに持つかの違いです。現行仕様ではシングルSKUとマルチSKUとして整理し、どちらもSKU単位で在庫数を設定します。
Q2. CSVで選択肢ごとの在庫はどう設定しますか? normal-item.csvの商品レベル行でバリエーションの項目と選択肢を定義し、SKUレベル行で各SKUに割り当てて「在庫数」を入力します。在庫の見せ方は商品レベル行の「在庫表示」で指定します。
Q3. 在庫切れ商品を店舗の一覧から非表示にするには? 「倉庫指定(倉庫に入れる)」を使います。CSVの倉庫指定列では0が販売中、1が倉庫(非表示)です。1にすると一覧・検索から外れ、売り越し注文の発生も抑えられます。
Q4. 多店舗の在庫連動の同期はどのくらいの間隔ですか? ツールやプランによって異なりますが、数分〜15分間隔で自動同期する構成が一般的です。同期のタイムラグが短いほど売り越しリスクは下がります。最新の仕様は各ツールの公式情報で確認してください。
Q5. 売り越し(在庫ズレ)を防ぐ一番の対策は何ですか? 多店舗の在庫を一元管理・API連動で自動同期し、手動更新による遅れを減らすことが基本です。ただし全店舗への同時反映や売り越しの完全防止は保証できないため、あわせて安全在庫(バッファ)の設定、更新の優先順位決め、在庫切れ商品の非表示を組み合わせます。
Q6. SKU移行で在庫連携の設定は見直しが必要ですか? 現行のCSV形式とSKU管理番号の対応を確認しましょう。CSVでバリエーションを追加・削除すると全SKUの再登録が行われ、変更前と異なるSKU管理番号が必要になります。連携先の設定も確認してください。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



