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最終更新: 2026.07.30

楽天広告パフォーマンスレポートの見方|CTR・CVR・ROASから改善策を決める

楽天広告パフォーマンスレポートの見方|CTR・CVR・ROASから改善策を決める

楽天広告は、課金方式、計測期間、売上範囲をそろえて読みます。ROASを損益分岐点と比べ、CTRとCVRで改善箇所を特定します。

楽天の広告レポートは「掲載保証型」と「運用型」で読み方が変わる

分類ディスプレイ広告運用型広告
種別掲載保証型成果報酬型
費用の考え方広告枠を決まった金額で購入し、掲載期間が保証されるクリック、クーポン獲得、売上などの成果に応じて支払う
主な広告大型イベント広告、シーズナル広告、ジャンル広告、ノンジャンル広告検索連動型広告(RPP)、運用型クーポン広告、効果保証型広告(CPA広告)、ターゲティングディスプレイ広告(TDA)
最初に見る項目掲載期間、表示回数、クリック数、CTR、広告経由売上課金対象、広告費、CPC、成果件数、CVR、ROAS

TDAは運用型に分類されますが、掲載面はディスプレイです。表示や広告接触後の成果も列名に沿って読みます。

楽天市場外へ広げるTDAエクスパンションやRPPエクスパンション(RPP-Expansion)もあります。市場内配信と分けて比較します。

RPPはRMS登録商品から自動で選ばれ、クリック時だけ費用が発生します。原稿や入稿は不要で、少額から予算を調整できます。

規約同意後に有効化すると、24時間以内に全商品が配信対象となります。ただし、全商品が必ず掲載されるのではなく、掲載面に応じて商品が選ばれます。

レポートを開く前に確認する4つの条件

数字を見る前に、比較する行が同じ条件かを確認します。条件が違えば、改善ではなく集計差を評価してしまいます。

確認条件確認する内容読み違えた場合
広告メニューRPP、運用型クーポン広告、TDAなど課金対象や成果定義が混ざる
課金方式クリック、表示、クーポン獲得、売上など費用の発生理由を誤る
成果の起点クリック日、広告接触日、購入日など日別の売上を誤って比較する
集計対象商品、店舗、キャンペーン、配信先など別の範囲の売上を比べてしまう

クーポンアドバンスはクーポン獲得が成果で、獲得時に広告費が発生し得ます。利用や購入は別で、値引き原資も店舗負担です。

最低予算や入札額、CPA広告の料率は決め打ちせず、管理画面と店舗運営Naviで確認してください。

CTR・CVR・CPC・ROASの定義と計算式

CTR・CVR・CPC・ROASの4指標をカード形式で並べた図解

指標は単独で評価せず、表示、クリック、購入、売上までの流れで読みます。

指標意味計算式主に分かること
インプレッション広告が表示された回数表示された回数露出の規模
CTR表示からクリックされた割合クリック数 ÷ 表示回数 × 100商品画像や訴求の反応
CPCクリック一回あたりの広告費広告費 ÷ クリック数流入獲得の単価
CVRクリック後に成果へ至った割合成果件数 ÷ クリック数 × 100商品ページや条件の成約力
ROAS広告費に対する売上の割合売上 ÷ 広告費 × 100広告費の売上回収率

たとえば表示10,000回、クリック200回なら、CTRは2%です。広告費10,000円ならCPCは50円となります。

成果10件ならCVRは5%で、売上50,000円ならROASは500%です。黒字かどうかは原価率で変わります。

この4指標は独立していません。表示回数にCTRを掛けるとクリック数、クリック数にCVRを掛けると成果件数になります。CPCとROASはそこへ広告費と売上を突き合わせた比率です。だから「CTRだけ改善した」は途中の改善であり、成果件数と売上まで追わないと採算の結論は出ません。

RPP管理画面の入札参考値と、実際に発生したクリック単価は別の列です。「目安CPC」「CPC実績」など、利用中の画面に表示された名称を確認してください。

数字が「あとから増える」720時間集計の扱い方

楽天広告では、クリック後720時間、つまり30日以内の購入を売上対象とする仕様があります。公開情報では、指定JANコード商品のクリック後について明記されています。

各メニューの現行計測時間は、広告管理画面の表記が正です。すべて同じとは断定せず、利用中の列名を確認します。

720時間の列は、クリック直後に数値が確定するわけではありません。当日から数日のROASは速報であり、その後の購入によって30日間は増える可能性があります。

同じ行に短期集計と720時間集計が並ぶ場合、同名のROASでも値が大きく異なります。「昨日のROASが低い」という理由だけで停止すると、後から付く売上を評価できません。

日次は速報値で異常を検知し、増減は同じ経過日数で判断します。評価表には期間、列名、取得日、確定状態を残します。

広告経由売上はクリックした商品の売上とは限らない

広告経由売上は、クリックされた商品だけの売上とは限りません。同じ店舗の別商品を後から購入した売上を含む集計になり得ます。

パソコンで見てスマートフォンで買うクロスデバイス成果も含まれ得ます。列名に「クロスデバイス含む」などの注記があるか確認します。

TDAのようなインプレッション課金型では、クリックせず、広告を見た後に購入したビュースルー成果が含まれ得ます。接触後の計測日数は断定せず、管理画面と店舗運営Naviで確認してください。

商品別売上をR-Karteや受注データと単純に突合しても一致しません。集計ミスと決めず、成果範囲をそろえます。

損益分岐点ROASで「止める・増やす」の線を引く

販売単価1万円・原価8千円のとき損益分岐点ROASが500%になることを示すゲージ図解

ROASは高低だけでなく、黒字になる境界との比較で判断します。楽天公式が示す損益分岐点ROASの式は次のとおりです。

計算方法計算式
基本式(原価+広告費)÷ 広告費 × 100
簡便式販売単価 ÷(販売単価-原価)× 100

販売単価10,000円、原価8,000円なら、簡便式は10,000÷2,000×100です。損益分岐点ROASは500%となり、超えれば黒字、下回れば赤字です。

先の例(表示10,000回・広告費10,000円・売上50,000円)はROAS500%で、この商品の損益分岐点とちょうど同じです。数字としては悪くないように見えても、利益はゼロです。「ROASが何%なら良いか」は商品ごとに違い、原価率が高い商品ほど分岐点は高くなります。

ただし、楽天市場の実務では原価以外の負担も発生します。ポイント原資、クーポン値引き、送料、決済関連費用を原価側へ加え、自店の判断線を引きます。

簡便式の値は追加費用を含まない下限です。計測期間をそろえ、分岐点を上回る施策を増額候補にします。

CTRとCVRの組み合わせで原因を切り分ける

ROASが損益分岐点を下回ったら、CTRとCVRの組み合わせから原因を絞ります。

CTRCVR想定される状態最初に確認すること
低い低い訴求と商品ページの両方に課題検索語との一致、画像、価格、在庫
低い高い商品は売れるがクリックされにくい商品画像、商品名、表示面、入札
高い低い流入はあるが購入につながらない価格、送料、納期、レビュー、ページ内容
高い高い訴求と購入条件が機能している損益分岐点、配信量、在庫、増額余地

CTRが低いときは、表示先と商品の関連性、画像、商品名を見直します。CVRが低いときは、広告より先に購入条件と商品ページの不安要素を確認します。

CPCを下げると掲載機会も変わるため、単価だけで成功とは判断できません。ROASまで同じ期間で追います。

R-Karteや受注データと合わないときの突合手順

R-Karteは、アクセス人数、転換率、客単価に加え、店舗、商品、顧客、検索キーワードを分析する店舗全体のツールです。広告成果に限定したレポートとは集計対象が異なります。

差分を調べるときは、次の五条件をそろえ、差が生じる仕様を確認します。

突合条件確認する質問
日付基準クリック日基準か、購入日基準か
計測期間速報値か、720時間の値か
商品範囲クリック商品だけか、店舗内の他商品も含むか
接触範囲クロスデバイスやビュースルーを含むか
売上確定キャンセルや返品の確定前か、反映後か

キャンセルや返品で、売上や請求額が後日変わるメニューもあります。確定前に増額せず、更新日も確認します。

レポートCSVは生成後、一定期間で削除される運用があります。期間は断定せず、取得日とともに定期保存します。

週次改善は1回1仮説で進める

週次運用では、検証ごとに仮説と変更点を一つに絞ります。複数を同時に変えると、改善理由を判別できません。

  1. 同じメニュー、同じ集計期間、同じ配信先で対象を抽出する
  2. 損益分岐点ROASと比較し、改善対象の優先順位を決める
  3. CTRとCVRから、露出、クリック、購入のどこが課題か仮説を立てる
  4. 入札、商品選定、画像、商品ページなどから変更点を一つ選ぶ
  5. 次回も同じ経過日数で比較し、継続、再検証、停止を決める

記録表には、対象期間、取得日、広告メニュー、商品、配信先、表示回数、クリック数、CTR、CPC、成果件数、CVR、広告費、売上、ROASを残します。さらに計測列名、損益分岐点、仮説、変更内容、判定日も加えます。

よくある質問

昨日のROASが低ければ、すぐに広告を止めるべきですか?

原則として、昨日の速報値だけでは決めません。利用中のレポートで成果計測期間を確認し、同じ経過日数の数値と損益分岐点ROASを比較します。

広告レポートとR-Karteの売上が一致しないのはなぜですか?

日付基準、店舗内の他商品の購入、クロスデバイス、ビュースルー、キャンセル反映などの条件が異なるためです。列名と集計範囲をそろえて差分を確認します。

目安CPCを実際の広告費として使えますか?

入札の参考値と、実際に発生したCPCは別の列です。管理画面の名称を確認し、実績評価には広告費をクリック数で割ったCPCを使います。

クーポンアドバンスはROASだけ見ればよいですか?

クーポン獲得時に広告費が発生し得る一方、利用や購入は別です。広告費に加えて店舗負担の値引き原資も含め、利用実績と利益を確認します。

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西尾 勝太

西尾 勝太株式会社ラクダ 代表

楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト

楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。

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