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Amazonブランド登録とは?商標なしで登録できるのか・費用と手順

先に結論です。Amazonブランド登録には商標が必要です。ただし登録完了まで待つ必要はなく、「出願中」の状態でも申請できます。
「商標なしでも登録できる」という情報が出回っていますが、これは別の手続きと混同されています。商標なしでできるのは、商品カタログにブランド名を表示させる承認(エラーコード5665への対応)までで、A+コンテンツやブランドストア、権利侵害の報告ツールは付いてきません。
この記事では、登録の要件、商標がない場合に何をいくらでどれだけの期間で用意するか、そして最大の関心事である「相乗り出品はどこまで防げるのか」を、公式の公開情報と特許庁の公式資料をもとに整理します。
Amazonブランド登録とは
Amazon Brand Registryは、Amazonストアに出品しているかどうかにかかわらず、知的財産権の保護、出品情報の管理、ビジネスの成長を支援する無料のプログラムです。
公式が掲げる価値は3つです。
- ブランドの保護 — 侵害の検出と報告
- 顧客満足度の向上 — 不正確な出品の抑止と、商品ページの拡張コンテンツ
- モニタリング — 検索・保護に関する指標の確認
登録の要件は2つだけ

| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① ブランドの表示 | ブランド名、またはブランド名を含むロゴが商品またはパッケージに恒久的に貼付されていること |
| ② 商標の所有 | 対応するAmazonストアがある国の指定政府商標事務所が発行した、保留中(出願中)または登録済みの商標を所有していること |
日本のAmazonで販売するなら、②は日本の特許庁(JPO)の商標が対象になります。
商標のタイプは、文字商標(テキストベース)か図形商標(単語・文字・数字を含む画像ベース)のいずれかである必要があります。図形商標で申請する場合は、商標登録の内容と完全に一致する画像をアップロードします。
注意点として、商標のテキストと申請するブランド名は一致していなければなりません。また申請は商標権利者本人が行う必要があり、代理人は権利者に登録してもらったうえでアカウントのユーザーとして追加してもらう形になります。
Brand Registryのアカウントは1つのグローバルアカウントで足ります。登録時に選べる商標事務所は1か国のみですが、承認後に他国の商標を追加できます。
「商標なしで登録できる」の正体
混同されているのは次の2つです。
| Amazonブランド登録 | ブランド名の承認(エラー5665) | |
|---|---|---|
| 商標 | 必須(出願中でも可) | 不要 |
| できること | 保護ツール・A+コンテンツ・ブランドストア・広告・ブランド分析など | カタログにブランド名を表示させる |
公式FAQには「商標無しの自社ブランド商品はブランド登録できますか?」という一問一答があり、答えは「登録保留中または登録済みの有効な文字商標または図形商標が必要です」です。
一方、ASINを新規作成するときにAmazonが承認していないブランド名で登録しようとすると、エラーコード5665が出ます。こちらについては公式に「商標登録を行っていないブランドでも申請可能です」と書かれています。
つまり、「商標なしでもブランド名は出せる」は正しく、「商標なしでもブランド登録できる」は誤りです。ここが誤情報の発生源になっています。
商標がない場合、いくら・どれくらいかかるか
Amazonブランド登録そのものは無料です。既に商標を持っていれば追加費用なく登録できます。費用が発生するのは商標を取るところです。
特許庁の法定料金
| 手続き | 金額 |
|---|---|
| 商標登録出願 | 3,400円+(区分数 × 8,600円) |
| 商標登録料(10年分) | 区分数 × 32,900円 |
| 分納する場合(前期・後期 各5年分) | 区分数 × 17,200円 |
| 更新登録申請 | 区分数 × 43,600円 |
これは特許庁に納める法定料金で、弁理士などの代理人費用は別です。
審査にかかる期間と、短くする方法
商標は出したらすぐ登録されるわけではありません。特許庁が公表している審査着手までの目安は、区分(審査室)によって5〜10か月程度とばらつきがあります。この値は約2か月ごとに更新され、出願状況で変動します。
ここで効いてくるのが冒頭の要件です。Amazonブランド登録は出願中でも申請できるため、登録完了を待つ必要がありません。
さらに、特許庁の商標早期審査は申出自体が無料で、申出から最初の審査結果通知まで平均2か月程度とされています。ただし「出願商標をすでに使用している、または使用の準備を相当程度進めている」ことが基本条件です。
出願 → (早期審査なら平均2か月でFA)→ 出願中の状態でブランド登録申請、という順で進めれば、1年待つ必要はありません。
IP Acceleratorという選択肢
Amazonは、承認した法務サービスプロバイダーに橋渡しするIP Acceleratorというプログラムを公開しています。Amazonは仲介手数料を取らず、支払いはプロバイダーへ直接行います。
事前に交渉済みの上限料金が公開されています(単一ブランド・単一区分が対象)。
- 日本特許庁への商標申請 … 最大50,000円
- 同一商標の脅威・障害を排除するための検索 … 15,000円
- 文字商標の完全検索(登録可能性の見解つき書面レポート) … 40,000円
このルートでも、ステータスが出願中になればBrand Registryに登録できます。
ただし公式FAQは、IP Accelerator経由で登録してもBrand Registryのすべての特典が使えるわけではなく、ツールごとに個別のアクセス要件があると明言しています。
登録の手順は3ステップ
- 事前準備 — 有効な商標(出願中または登録済み)、商標が商品またはパッケージに表示されていることを示す画像、登録商標番号(出願中の場合は申請番号)、出品する商品カテゴリーのリスト
- サインイン — 出品用アカウントと同じメールアドレス・パスワードでログインします。別のアカウントで作るとブランドと出品用アカウントが紐づきません
- 登録申請 — 情報を送信すると、Amazonが商標権利者であることを確認し、商標記録上の連絡先に確認コードを送付します。その担当者がコードを受け取って提出すると完了です
審査期間は約1〜2週間とされています。混雑状況や、提出情報の不足・訂正があればそれ以上かかります。
なお商品登録時のブランド名は大文字と小文字が区別され、ブランド申請ページの表記と完全一致している必要があります。ブランド名はASIN作成時にのみ更新できます。
相乗り出品はどこまで防げるのか

ここは期待と実際にずれが生じやすいところです。公式が効果として明記しているのは、カタログの編集権限と侵害の報告手段までです。
公式に根拠がある効果
- 登録後はブランド所有者およびブランドに関連付けられた出品者のみが、商品詳細ページを作成・更新提案できる。タイトル・画像・説明を第三者に勝手に書き換えられなくなる
- 権利侵害の報告ツールで、商標・著作権・特許の侵害の疑いを報告できる
- Project Zero — 模倣品の出品を、Amazonへの問い合わせなしに自ら迅速に削除できる
- Transparency — 商品ユニットごとに固有コードを付与してシリアル化し、不正な商品や偽造品の出品・販売・出荷を防ぐ。購入者はコードをスキャンして真贋を確認できる
過大評価に注意すべき点
「ブランド登録すれば他社が同じASINに出品できなくなる」とは、確認したどの公式公開ページにも書かれていません。「ブランド所有者だけが販売できるように設定できる」という説明も、公式では裏が取れませんでした。
侵害の報告は模倣品や権利侵害に対するツールであり、正規に流通した真正品の転売そのものを止める仕組みではありません。相乗りを実質的に排除しうるのはユニット単位で認証するTransparencyですが、参加条件や費用は公開ページに記載がありませんでした。
相乗り対策としてブランド登録を検討している場合は、「カタログを守る」効果は確実に得られるが、「出品者を締め出す」効果は公式には保証されていないという理解で進めてください。
登録後に使える主な機能
| 分類 | 機能 |
|---|---|
| 商品情報・レビュー | 商品紹介コンテンツ(A+コンテンツ/プレミアムA+)、Amazon Vine、カスタマーレビュー分析 |
| 販促 | 定期おトク便、ブランド割引 |
| 広告 | ブランドストア、スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告、Posts |
| データ・最適化 | 比較テスト(A/Bテスト)、ブランド分析、Amazonアトリビューション、ブランド指標 |
| 保護 | Transparency、権利侵害の報告、Project Zero、ブランド保護レポート |
Amazonは、A+コンテンツで売上が最大8%、プレミアムA+で最大20%向上したといった数値を公表しています(いずれもAmazon自社公表値・2024年)。自社の計測ではない点は踏まえて参照してください。
なお、ブランド登録すれば全機能がすぐ使えるわけではありません。公式FAQがツールごとに個別のアクセス要件があると明言しています。新規出品者向けの還元特典についても、公式の2ページで記述が食い違ううえ、予告なく変更・終了する旨が注記されています。金額は公式で最新をご確認ください。
広告のうち、ブランド登録がなくても使えるのはスポンサープロダクト広告です。広告以外の販促手段とあわせて考えたい場合はAmazonのプロモーションとは?出品者向けの種類・使い分け・費用もご覧ください。レビュー面ではAmazon Vine先取りプログラムがブランド登録者向けの機能にあたります。
却下される主な理由
- 申請内容と商標機関に登録されている情報が一致しない(権利者名・ブランド名・商標テキストの不一致)
- 商標のステータスが資格要件を満たしていない
- 登録しようとしたブランドが既にAmazonブランド登録済み
- 商標番号の形式が誤っている、または選択した登録機関で番号が見つからない(最近承認された商標は反映まで最大4日かかることがある)
- アカウントステータスが要件を満たしていない
- 出品用アカウントと別の認証情報でBrand Registryアカウントを作成した
- 商標権利者本人ではない(代理人からの申請は不可)
- ブランド名・ロゴが商品またはパッケージに恒久的に表示されていない
却下された場合は、Brand Registryにログインして「サポート」からブランドサポートのケース履歴を確認します。履歴があれば更新が必要な商標の詳細が分かります。
アカウントステータスが理由の場合は、セラーセントラルのパフォーマンス通知を確認してください。停止や違反が残っていると登録できないため、先にそちらを解消する必要があります。セラーセントラルに入れない場合はセラーセントラルにログインできない原因と復旧手順を参照してください。
なお、ブランド名は商品登録時の表記と完全一致している必要があるため、登録申請の前に自店のカタログ側の表記を揃えておくと、却下のやり直しを避けられます。
関連する自動化ツール
商品情報の一括更新 ブランド名や商品情報の表記をまとめて揃えられます。
よくある質問
Q. 商標を出願したばかりですが、いま申請できますか。 できます。Amazonブランド登録は申請中(出願中)の商標も受け付けており、登録完了を待つ必要はありません。出願中の場合は申請番号を提出します。
Q. ロゴだけで文字の商標がありません。 文字商標または図形商標のいずれかがあれば要件を満たします。図形商標の場合は、商標登録の内容と完全に一致する画像をアップロードします。
Q. 登録にお金はかかりますか。 Amazonブランド登録自体は無料です。商標を持っていない場合に、商標取得の費用(特許庁の法定料金+代理人費用)がかかります。
Q. 弁理士に代理で申請してもらえますか。 Brand Registryへの申請は商標権利者本人が行う必要があります。代理人は、権利者に登録してもらったうえでアカウントのユーザーとして追加される形になります。
Q. 登録すれば相乗り出品をなくせますか。 商品ページを勝手に書き換えられなくなり、侵害を報告する手段が得られます。ただし「他社が同じASINに出品できなくなる」という効果は公式の公開ページに記載がありません。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



