ホーム > Amazon
Amazonスポンサープロダクト広告とは?費用の決め方と運用の基本

スポンサープロダクト広告は、Amazon内で個別の商品を宣伝するクリック課金型の広告です。クリックされるとその商品ページへ直接誘導されます。月額料金や初期費用はかかりません。
始める前に押さえておくと判断を誤らずに済むことが3つあります。入札額はそのまま請求される金額ではないこと、出してよい広告費は利益率から逆算して決まること、そして成果を見る順番が決まっていることです。いきなりACOSを見て「高いからダメだ」と判断するのが、最も多い誤りです。
この記事は広告に絞ります。クーポンやセールなどの販促についてはAmazonのプロモーションとは?出品者向けの種類・使い分け・費用をご覧ください。
3種類の広告と、ブランド登録の要否
| 広告の種類 | 何を宣伝するか | ブランド登録 |
|---|---|---|
| スポンサープロダクト広告(SP) | 個別の商品 | 不要 |
| スポンサーブランド広告(SB) | ロゴ・見出し・複数商品でブランドを見せる | 必要 |
| スポンサーディスプレイ広告(SD) | Amazon外のサイトやアプリまで追いかける | 必要 |
ブランド登録がない出品者が今すぐ使えるのはスポンサープロダクト広告だけです。スポンサーディスプレイ広告、スポンサーブランド広告、スポンサーTV広告、ブランドストアはいずれも事前にブランド登録が必要になります。
初心者にスポンサープロダクト広告が勧められる理由は、クリックされた分だけの課金でリスクが低く、キーワード選定と入札調整という基本を実践で学べるためです。
なお広告が表示されるのは、対象商品に在庫があり、商品情報が整っている場合に限られます。
どこに表示されるか

Amazonストア内では、商品検索結果ページの上部・横・検索結果内、および商品詳細ページに表示されます。デスクトップ、モバイルブラウザ、Amazonモバイルアプリのいずれにも配信されます。
掲載枠は「検索結果ページの上部」「その他の検索結果」「商品ページ」の3区分に分かれており、枠ごとに入札額を個別に調整できます(最大900%まで追加可能)。
入札額と、実際に請求される金額は違う
ここが最初のつまずきどころです。
スポンサープロダクト広告はクリック課金制で、広告枠はオークションで決まります。設定する入札額は上限であり、実際のクリック単価はオークションの結果として上限以下に決まります。
つまり「100円で入札したら毎回100円かかる」わけではありません。
さらに入札戦略で「動的な入札 – アップとダウン」を選んだ場合、Amazonが状況に応じて入札額を引き上げます。公式は入札額の2倍を支出する準備をしておくよう案内しています。予算設計では、この上振れを見込んでおく必要があります。
1日の予算は均等には使われない
1日の予算は1日を通して調整されません。 商品に関心を持つ購入者が多い時間帯があれば、予算が少額の場合は数分で使い切ることがあります。
「朝には枯れていて、夕方はまったく出ていない」という状態はこれが原因です。
一方で、最終的な広告費がキャンペーンに設定した金額を超えることはありません。開始時は1日の予算を10ドル相当から始め、様子を見て調整するのが公式の推奨です。
予算が足りているかは、広告キャンペーンマネージャーの「予算」ページで予算内の平均時間が100%未満になっているキャンペーンを確認します。頻繁に予算超過するキャンペーンは、1日中表示されるよう予算を増やすことが勧められています。
利益率から、出してよい広告費を逆算する
広告費の上限は感覚ではなく計算で決まります。使う指標は2つです。
- ACOS(広告費売上高比率)= 広告費 ÷ 広告起因売上 × 100 — 低いほど良い
- ROAS(広告費用対効果)= 広告起因売上 ÷ 広告費 — 高いほど良い
この2つは互いに逆数の関係です。広告費100・広告起因売上500なら、ROASは5、ACOSは20%になります。
よく「ROASが5のときACOSは25%」と書かれた解説を見かけますが、これは誤りです。5の逆数は1/5=20%です。
損益分岐点は利益率と一致する
公式は明快に定めています。損益分岐ACOSは利益率と等しく、利益を維持するにはACOSが利益率より低くなければなりません。 ROASで見る場合は「1 ÷ 利益率」が損益分岐ROASです。
公式に載っている計算例は利益率80%を前提としており、一般的な物販の感覚とはかなり離れています。現実に近い数字で置き換えると、次のようになります。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 販売価格 | 3,000円 |
| 原価+販売手数料+配送費 | 2,400円 |
| 利益 | 600円 |
| 利益率 | 20% |
| 損益分岐ACOS | 20%(これを超えると赤字) |
| 損益分岐ROAS | 5倍(500%) |
| 目標ACOS(利益を残す) | 15%程度に置く |
まず自社の利益率を出し、それを損益分岐点として、そこからいくら利益を残したいかを引いて目標ACOSを決める、という順番です。
ターゲティングの選び方

先に用語を分けておきます。検索用語は購入者が実際に入力する言葉、キーワードは出品者が入札する言葉です。この2つは一致するとは限りません。
ターゲティングは3種類あり、これに除外ターゲティングを組み合わせます。
- オートターゲティング — Amazonが自動で合わせる。ほぼ一致/おおまか一致/代替商品/補完商品の4戦略があり、それぞれ入札額を設定できる
- マニュアル(キーワード) — 自分でキーワードを指定する
- マニュアル(商品) — 個別のASINやカテゴリーを狙う。ブランド・価格帯・レビューの星・プライム対象かどうかで絞り込める
キャンペーンが掲載状態になると、ターゲティングは変更できません。 変えたい場合は新しいキャンペーンを作り直すことになります。最初の設計は慎重に決めてください。
マッチタイプの違い
| マッチタイプ | 範囲 |
|---|---|
| 部分一致 | 任意の順序で含み、単数形・複数形・変化形・同義語・関連用語まで対象。キーワード自体が検索語に含まれないこともある |
| フレーズ一致 | すべての構成要素が同じ順序で含まれる |
| 完全一致 | 同じ単語・同じ順序。コンバージョン率が最も高くなる傾向 |
入札額は完全一致を最も高く、フレーズ一致を中間、部分一致を最も低く配分するのが公式の推奨です。同じキーワードに複数のマッチタイプを設定しても、入札キーワードどうしが競合することはありません。
キーワードには技術的な制限があります。1キーワードにつき最大10語・80文字、使えるのは文字・数字・スペースのみで、大文字小文字は区別されません。
見る順番を間違えない
公式は改善のステップを次の順で定義しています。
- インプレッション数 — そもそも露出しているか
- クリック数・CTR — 露出はしているがクリックされているか
- ROAS — クリックの先で売れているか
「広告費用対効果を確認する前に、そもそも広告がクリックされているかを確認する」というのが公式の考え方です。露出がゼロなのにACOSを見ても、改善すべき箇所は分かりません。
ACOSだけで判断しない
公式は、ACOSはキャンペーンの一面にすぎず、新規キャンペーンは単に新しいという理由でACOSが高くなる傾向があると明記しています。始めたばかりの数字を見て止めてしまうのは、最も避けたい判断です。
広告レポートは開始から約2週間後に確認することが推奨されています。定期的に見る指標は、インプレッション数、クリック数、コンバージョン率、ROASです。季節要因やセールイベントの影響も踏まえて読みます。
運用の基本サイクル
検索用語レポート(検索ワードレポート)が運用の中心になります。
- 高インプレッションかつ高ROASの検索用語は、キーワードターゲティングに追加する
- 成果の出ない検索用語は除外キーワードに設定する
- ターゲティングレポートを売上順に並べ、目標を満たすものは入札を上げ、満たさないものは下げる
検索ワードレポートは商品ターゲティングの種にもなります。「検索用語」列に10文字のASIN(数字のみ、または「B」で始まるもの)が表示されていれば、その商品ページ経由で売れているということです。
除外キーワードはフレーズ一致または完全一致での設定が推奨されています。ただし、クリック数が少ないうちに除外すると判断を誤ります。一定のクリックが溜まり、2週間程度の期間を見てから判断してください。
キャンペーン構成では、同一のキャンペーンや広告グループ内でターゲティング戦略を混在させないのが原則です。ブランドキーワード、一般キーワード、ロングテールキーワードは別々の広告グループに分けます。
関連する自動化ツール
RPP広告の運用支援 楽天市場のRPP広告について、キーワードと入札の見直しを支援します。
よくある質問
Q. ブランド登録がなくても広告を出せますか。 スポンサープロダクト広告は出せます。スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告、スポンサーTV広告、ブランドストアはブランド登録が必要です。
Q. 入札額を100円にしたら、毎回100円かかりますか。 かかりません。入札額は上限で、実際のクリック単価はオークションで上限以下に決まります。ただし「動的な入札 – アップとダウン」を使う場合は、入札額の2倍まで支出しうる前提で予算を組んでください。
Q. 予算が昼前になくなってしまいます。 1日の予算は1日を通して均等に配分されません。予算内の平均時間が100%未満のキャンペーンは、予算を増やすことが検討対象になります。
Q. ACOSは何%を目指せばよいですか。 一律の正解はありません。自社の利益率が損益分岐点なので、まず利益率を出し、そこからどれだけ利益を残したいかを引いて目標を置いてください。
Q. 途中でターゲティングをオートからマニュアルに変えられますか。 掲載状態になったキャンペーンのターゲティングは変更できません。新しいキャンペーンを作成する必要があります。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



