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最終更新: 2026.08.06

Amazonの出品用アカウントが停止された時の対処|原因の切り分けと復活までの手順

Amazonの出品用アカウントが停止された時の対処|原因の切り分けと復活までの手順

この記事は出品用アカウント(セラーアカウント)が止まったときの話です。買い物用アカウントの停止や、購入者に届く「アカウント停止」メールとは別の話題になります。

停止されたときにまずやることは、謝罪文を書くことではありません。どの粒度で何が止まっているのかを切り分けることです。特定の商品だけが止まっているのか、出品者出荷の注文だけが止まっているのか、アカウント全体が止まっているのかで、打つ手がまったく変わります。

さらに、指標の悪化が原因の場合は、改善計画を書かずに済むルートが公式に用意されています。知らないまま長文の申し立てを書いている出品者が少なくありません。

まず「何が」止まっているのかを切り分ける

Amazonが公式に使う用語は「アカウントの利用停止(deactivation)」です。止まる粒度は少なくとも3段階あります。

粒度何が起きているかよくある原因
特定の商品(ASIN・出品)その商品だけが出品できない状態になる商品ポリシー違反、権利者からの申し立て
出品者出荷のオファー全体自己発送の出品がまとめて止まる注文不良率・出荷前キャンセル率・出荷遅延率の超過
出品用アカウント全体販売そのものができない真贋(偽造品)、行動規範違反、複数アカウント など

なお、日本語の解説でよく見る「一時停止」「審査中」は、Amazonの正式なステータス名としては確認できませんでした。実務上は「本人確認の審査中」「調査中」「出品権限の一時的制限」が同じ言葉で呼ばれているだけのことがあります。通知に書かれている対象(ASINなのか、オファーなのか、アカウントなのか)で判断してください。

同じく「停止は復活できるが閉鎖は無理」という2段階の説明も広く流通していますが、Amazonが公式にその2つを段階として定義した記述は見つかりませんでした。

アカウント健全性評価(AHR)の見方

アカウント健全性評価はスコア0〜1,000で新規出品者は200から始まり、緑は200以上、黄は100〜199、赤は99以下に色分けされ、直近180日間の状況が反映されることと、違反の重大度が4段階あることを示す図解

アカウントの状態は、セラーセントラルのアカウント健全性ページにあるアカウント健全性評価(Account Health Rating/AHR)で確認します。

  • スコアは0〜1,000
  • 新規出品者は全員200からスタート
  • 緑(Healthy)=200〜1,000
  • 黄(At Risk)=100〜199(停止リスクあり)
  • 赤(Unhealthy)=99以下(停止対象、または既に停止)
  • 反映されるのは直近180日間のポリシー遵守状況と販売活動

一定数以上の注文があると加点される設計になっており、違反を解消すればスコアは回復します。

違反にはcritical / high / medium / low の4段階の重大度があり、criticalは即時のアカウント措置につながりうる最も重い区分です。同じポリシーの繰り返し違反は加算的に重くなり、「Product Policy compliance」ページの Account Health Rating Impact 欄に repeat violation と表示されます。

パフォーマンス指標と公式の基準値

出品者出荷のオファーが止まる原因になるのは、次の指標です。

指標見る期間基準値
注文不良率(ODR)直近60日間1%未満
出荷前キャンセル率(CR)直近7日間2.5%未満
追跡可能率(VTR)直近30日間95%以上
出荷遅延率(LSR)10日間・30日間4%未満とされる(下記の注記を参照)

注文不良率は、低評価率(★1・★2)・マーケットプレイス保証申請率・チャージバック率の3つで構成されます。

出荷前キャンセル率には、出荷確認をしなかったためにAmazonが自動キャンセルした注文も含まれます。購入者自身がキャンセルしたものは除かれます。

追跡可能率は、日本では1梱包1,000円以上(税抜・送料込)が対象です。直近30日で95%を下回ったカテゴリーは、そのカテゴリーでのFBA以外の出品が制限されることがあります。

出荷遅延率の「4%未満」は、公的機関が公開している資料や業界の共通見解では一致していますが、現行のAmazon公開ヘルプ本文には数値の記載が見当たりませんでした。目安として扱い、自店の通知に書かれた基準を優先してください。

改善計画を書かずに済むルートがある

ここが最も見落とされている点です。

注文不良率・出荷前キャンセル率・出荷遅延率が基準を超えてオファー停止のリスクが出た対象の出品者には、アカウント健全性ページの上部バナーに、該当ポリシーに関する5問のクイズが表示されることがあります。

  • 回答期限は72時間
  • 合格すれば改善計画(POA)の提出は不要になり、出品も停止されない

長文の申し立てを準備する前に、まずアカウント健全性ページのバナーを確認してください。

停止そのものを防ぐ「Account Health Assurance」

大口出品者向けに、条件を満たすと停止されにくくなる仕組みも公開されています。

  • 対象:AHR 250以上を6か月以上維持(250を下回った日が10日以内)かつ緊急連絡先の電話番号を登録済み
  • 内容:Amazonからの連絡後72時間以内に対応して問題解決に取り組む限り、アカウントを停止しない
  • 登録は自動で、メールとアカウント健全性ページで通知される

対象外の場合でも、大口出品者はアカウント健全性ページの「Call me now」からアカウントヘルスサポートに連絡できます。

停止の原因になるポリシー

Amazonは、AHRに含まれるポリシーの一覧を公開しています。代表的なものを挙げます。

  • 偽造品対策ポリシー(真贋)
  • 知的財産権ポリシー
  • 商品コンディションガイドライン(中古を新品として出すなど)
  • 出品禁止・規制商品ポリシー
  • カスタマーレビューポリシー(レビュー操作)
  • 出品者行動規範
  • 商品の安全性・コンプライアンス

とくに重いのが偽造品です。非正規品の販売については、即時にアカウント(および関連アカウント)を停止または解約し、FBA在庫を出品者負担で廃棄することがある、顧客が本物を受け取ったと確信できるまで支払わない、と明記されています。

複数アカウントも注意が必要です。出品者行動規範は「1つの地域につきセラーセントラルアカウントは1つ」を原則としており、正当な事業上の必要があり、かつすべてのアカウントが良好な状態である場合にのみ2つ目が認められます。

停止中に別アカウントを新規作成する行為は、この原則に反します。関連アカウントとして一緒に停止されうるため、復活を遠ざけます。

なお「何もしていないのに競合の不正な権利申告で停止された」という説明を目にすることがありますが、Amazon公式に該当する説明はありません。

通知を確認する場所と申し立ての流れ

  1. パフォーマンス通知を読む。停止の対象と理由、必要な対応が書かれています。メールだけで判断せず、セラーセントラル側の通知も確認してください
  2. アカウント健全性ページを開く。指標起因の場合はここに表示され、「申し立てを送信(Submit appeal)」から手続きします
  3. クイズのバナーが出ていないか確認する(前述・72時間)
  4. 繰り返し違反かを確認する。Product Policy complianceページの表示で分かります
  5. 改善計画(POA)を作成して提出する
  6. 却下された場合は理由を確認する。請求書を提出した申し立てが却下された場合、なぜ受理できなかったかがパフォーマンス通知で示されます

各指標の実数は、アカウント健全性ページの配送パフォーマンスから詳細を開き、レポートをダウンロードして確認できます。レポートの日時はUTC表記なので、日本時間は9時間を足して読みます。

改善計画(POA)に何を書くか

Plan of Action(POA)はAmazon公式の用語です。ただしAmazonは審査の採点基準を公開していません

一般には「根本原因」「是正措置」「再発防止策」の3要素で構成するとされますが、この3要素をAmazonの公開ヘルプで明文化した記述は確認できませんでした。実務上の型として使うのは有効ですが、「公式のフォーマット」ではない点は理解しておいてください。

実務として共通しているのは、感情的な訴えや他責の記述を避け、個別の注文の話ではなく再発しない仕組みを、担当・手順・期限まで含めて具体的に書くことです。

真贋調査で求められる請求書の要件

真贋調査の申し立てで提出する請求書の要件。発行日が365日以内であること、販売数量と在庫数量、各ASINの販売記録、商品識別子、サプライヤーの連絡先情報が必要で、見積書や自己発行の請求書、ExcelやWordなど編集可能な形式は受け付けられないことを示す図解

ポリシー違反の申し立てでは、多くの場合サプライヤーが発行した請求書のコピーの提出が必要になります。この要件は公式にログイン不要で全文公開されています

満たすべき要件

  1. パフォーマンス通知を受け取った日から遡って365日以内の発行日が明示されている
  2. 通知に挙げられた各ASINについて、過去365日の販売数量と在庫数量を賄うだけの数量が記載されている
  3. 違反に関連する各ASINの販売記録があること(1枚に複数商品があるときは該当商品をハイライトしてよい)
  4. 理解しやすい商品識別子(商品名、型番、またはオンラインで検証できるUPC)
  5. サプライヤーの連絡先情報(名称・電話番号・住所・ウェブサイト)

そのほかの条件

  • 本物かつ未改変であること
  • 価格情報は消してよい。ただし他の情報はすべて見える状態にすること
  • ファイル形式はPDF、または画像(.jpg / .png / .gif)
  • 完了・履行済みの取引を示すものであること
  • Amazonがサプライヤーに直接照会して裏取りする場合がある

受け付けられない書類

  • 見積書、プロフォーマインボイス、取引完了前に送られる書類
  • 自己発行の請求書、サプライヤーと買主が同一事業体に見える請求書
  • デジタル加工された書類、ExcelやWordなど編集可能な形式のファイル

日本語の解説で見かける「発行から90日以内の請求書が推奨」という説明は、公式の365日ルールと矛盾します。365日が公式の要件です。

実務上の要点として、仕入先が上記の条件を満たす請求書を出せるかは、停止されてから確認するのでは遅くなります。取引を始める段階で確認しておくのが安全です。

復活までの期間は公式に示されていない

申し立ての審査や復活までの所要日数について、Amazonは公開していません

公開ヘルプで日数が明記されているのは、クイズの回答期限72時間、Account Health Assuranceの「連絡から72時間以内」、請求書の365日ルールの3つだけです。

「数日で解除された」「1か月かかった」といった期間はいずれも個別の体験であり、目安として当てにはできません。同様に、真贋調査でよく語られる「調査対象は3商品」「提出期限は72時間」「90日で在庫が処分される」といった数値も公式では確認できませんでした。実際の期限は個別のパフォーマンス通知に書かれます。そちらに従ってください。

なお、アカウントが停止・解約された場合の在庫の扱いについては規約上の定めがあり、在庫が出品者負担で処分されうること自体には根拠があります。停止中もFBA在庫の保管料は発生し続けるため、長期化しそうな場合は在庫の扱いを早めに判断する必要があります。

停止させないための日常運用

  • アカウント健全性ページを週次で確認する。黄(100〜199)に落ちてから動くのでは遅い
  • 出荷確認を必ず当日中に行う。忘れるとAmazon側で自動キャンセルされ、出荷前キャンセル率に加算される
  • 追跡番号を必ず登録する(1梱包1,000円以上が対象)
  • 仕入書類を商品ごとに365日分そろえて保管する。真贋調査は前触れなく来る
  • 緊急連絡先の電話番号を登録しておく。Account Health Assuranceの条件でもある

在庫切れによるキャンセルを減らすには、在庫と価格の更新頻度そのものを上げるのが根本策です。

出荷遅延の通知が出たときの対応はAmazon「遅延が発生 まだ出荷が完了していません」の意味と出品者の対応、返品・返金が注文不良率に効く経路はAmazonの返品と出品者の送料負担で整理しています。セラーセントラルにそもそも入れない場合はセラーセントラルにログインできない原因と復旧手順を参照してください。

よくある質問

Q. 停止された理由が通知を読んでも分かりません。 まず対象の粒度(ASINか、出品者出荷のオファーか、アカウント全体か)を確認してください。指標起因であればアカウント健全性ページに表示されます。ポリシー違反であればProduct Policy complianceページに該当項目が並びます。

Q. 申し立ては何回でも出せますか。 却下された場合、その理由はパフォーマンス通知に示されます。理由に対応しないまま同じ内容を再送しても状況は変わりません。示された不足点を埋めてから再提出してください。

Q. 請求書に仕入価格を書きたくありません。 価格情報は消して提出してよいと公式に明記されています。ただし価格以外の情報はすべて見える状態にする必要があります。

Q. 停止中に新しいアカウントを作って販売を続けてもよいですか。 出品者行動規範の「1地域1アカウント」原則に反します。関連アカウントとして一緒に停止されうるため、復活をさらに難しくします。

Q. 「アカウントが停止されました」というメールが届きましたが本物か分かりません。 出品者向けの通知はセラーセントラルのパフォーマンス通知にも残ります。メールのリンクからではなく、セラーセントラルに自分でアクセスして通知の有無を確認してください。

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