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DMARCの設定方法|ショップのメールが迷惑メール扱いされないために、SPF・DKIMとあわせてやる手順

DMARCの設定は、DNSの _dmarc にTXTレコードを1行登録し、まず p=none で監視してから段階的に強めます。 DMARCはSPF・DKIMの認証と差出人ドメインの整合を基に、認証失敗時の扱いを受信側へ伝えます。 楽天経由の注文メールやR-Mailが楽天側でどう認証されているかは公開情報では確認できないため、自社ドメインから送るメールと分けて、楽天へ照会します。 2026年10月23日時点の情報です。
DMARCとSPF・DKIMの違い

| 技術 | 確認すること | 店舗が行う主な設定 |
|---|---|---|
| SPF | 許可された送信サーバーから送られたか | DNSに利用する送信元を登録します |
| DKIM | 電子署名を検証でき、署名対象が改変されていないか | 公開鍵をDNSに登録し、送信側で署名を有効にします |
| DMARC | 認証されたドメインと表示上のFromが整合しているか | DNSに処理方針とレポート送付先を登録します |
この整合を「アライメント」と呼び、認証結果がPASSであるだけでは、DMARC合格にならない場合があります。
SPFでは通常、配送エラーの返送先に使うドメインを確認し、DKIMでは署名内の d= のドメインを確認します。
DMARC合格には、SPFの認証と整合、またはDKIMの認証と整合の少なくとも一方が必要です。 ただし、Gmailなどの一括送信者要件では、SPF・DKIM双方の設定が必要になります。Google公式「DMARCを設定する」
DKIMとDMARCをセットで設定する理由
DKIM/DMARCは、片方だけでは役割を果たしきれません。DKIMは署名の正しさを示しますが、署名ドメインが表示上のFromと違っても、DKIM単体では合格になります。DMARCはその整合まで確かめ、失敗時の扱いを受信側へ伝えます。
転送されたメールではSPFが失敗しやすいため、Fromと整合するDKIM署名があると、DMARCで合格しやすくなります。DMARCを登録する前に、各送信サービスで独自ドメインのDKIM署名を有効にしておきます。
楽天市場のメールでDMARC設定が必要な範囲
楽天の公開ガイドラインには、楽天あんしんメルアドサービスによって、購入者や店舗のアドレスを楽天ドメインのアドレスへ変換する機能が記載されています。楽天の公開ガイドラインPDF
| 送信経路 | 店舗で確認すること |
|---|---|
| R-Mailのメルマガ | 実際のFrom、認証結果、配信停止機能を確認します |
| 楽天の仕組みを通る注文関連メール | 変換後のFromと、購入者までの送信経路を確認します |
| 自社ドメインの通常メール | 契約するメールサービスの認証設定を確認します |
| 自社サイトのカート・外部配信サービス | 独自ドメインのDKIM署名や返送先設定を確認します |
自社DNSの設定だけで楽天側の経路まで整うとは限りません。R-Mailなどの経路別の署名ドメインや具体的なDNS設定値は、公開情報では確認できません。
楽天側の送信仕様は楽天へ問い合わせます。照会は楽天の店舗向け窓口へ行います。対象がR-Mailか注文関連メールかを伝え、購入者に表示されるFrom、Return-Path、DKIM署名の d= ドメインと、店舗側で必要な設定を照会します。楽天側の仕様と自社側の設定対象を分けてからDNSを変更してください。
なお、楽天市場で取得したメールアドレスに、R-Mail以外の方法で広告・宣伝メールを配信する行為は、公開規約で禁止されています。楽天の公開出店規約PDF
DMARCのDNS設定とTXTレコードの書き方
DMARCは、対象ドメインのDNSにある _dmarc の名前へ、ポリシーを記したTXTレコードを登録して設定します。
次は example.com の設定例であり、ドメインとレポート用アドレスは実際のものへ置き換えます。
| DNSの項目 | 設定例 |
|---|---|
| 種別 | TXT |
| ホスト名 | _dmarc.example.com |
| 値 | v=DMARC1; p=none; rua=mailto:dmarc@example.com |
DNS管理画面がドメイン名を自動補完する場合は、ホスト名に _dmarc だけを入力します。登録後の名前が _dmarc.example.com.example.com にならないよう確認します。
| 記述 | 意味 |
|---|---|
v=DMARC1 | DMARCレコードであることを示します |
p=none | DMARC失敗を理由とする隔離・拒否を要求しません |
rua=mailto:dmarc@example.com | 集計レポートの送付先を指定します |
設定前に既存のDMARCレコードを調べ、登録済みなら現在の方針とレポート送付先を把握します。SPFも同一ドメインに複数作らず、利用中の送信元を1レコードへまとめます。
SPFの1行の模式例は次のとおりです。example.com は説明用で、実際には送信サービスが指定する参照先を使います。この行をそのまま追加せず、既存の送信元を残して契約先の案内に沿って統合してください。
v=spf1 include:example.com ~all
追加タグの adkim と aspf は整合の厳しさを指定し、省略時は緩和された整合が適用されます。最初から厳格な s を指定する場合は、サブドメインを使うメールへの影響も確認します。
レポート送付先を別ドメインにする場合は、送付先側にも承認用のDNSレコードが必要になります。
DMARC設定をnoneからrejectへ強める手順

- 自社ドメインを使う送信元を洗い出します
通常メール、注文確認、発送通知、問い合わせ返信、メルマガ、外部システムを確認します。サービス名、From、返送先、DKIM署名ドメイン、担当者を記録します。
- 各送信サービスのSPF・DKIMを整えます
サービスの公式案内に従い、DNS登録に加えてDKIM署名の有効化も確認します。Googleは、SPF・DKIMを設定してからDMARC設定まで48時間以上空けるよう案内しています。
p=noneとruaで監視を始めます
レポートを毎日確認し、正規サービスの認証失敗を修正します。Googleの目安は少なくとも1週間ですが、日数だけで強化を決めません。
p=quarantineへ段階的に変更します
注文確認・発送通知・メルマガ・担当者の返信で認証と整合が確認できたら、Googleの例では p=quarantine; pct=5 から始めます。正規メールの認証失敗や不着が残る場合は修正を先に行い、問題がなければ割合を徐々に増やします。
- 正規メールの対応後に
p=rejectを検討します
隔離段階でも正規メールに問題がなく、不定期配信も認証できたら拒否へ進めます。監視せずに p=reject にすると、正規メールも拒否対象になり得ます。サービス追加後も監視を続けます。
| ポリシー | 認証失敗時に受信側へ求める処理 |
|---|---|
none | DMARCによる隔離・拒否を求めず監視します |
quarantine | 迷惑メール扱いなどの隔離を求めます |
reject | 受信拒否を求めます |
pct=5 は、DMARCに失敗したメールへのポリシー適用割合を指定するもので、注文確認メールを除外する機能ではありません。
月次メルマガやセール配信が監視期間に入っていなければ、1週間を過ぎても quarantine へ進めません。 その経路の配信と認証結果まで確かめることを、店舗での移行判断の目安にします。Google公式「推奨されるDMARCのロールアウト」
DMARCレポートの見方と認証結果の確認方法
まず、テスト送信した受信メールで認証結果を調べます。
- 受信したメールのヘッダー全文を表示します。
Authentication-Results内のspf=・dkim=・dmarc=を探し、それぞれの合否を読み取ります。From、Return-Path、DKIM署名のd=を照合します。SPF・DKIMがPASSでもDMARCがFAILなら、Fromとの整合を調べます。
不着は、同じ購入者宛てでも「注文確認」「発送通知」「メルマガ」「担当者の返信」に分けて追います。一部だけ失敗するなら、その送信サービスの設定を調べます。DMARCがPASSでも届かない場合は、送信評価・エラー・受信側の設定へ切り分けます。
集計レポートは通常XML形式で、一般的に日次で届きます。次の項目で正規サービスの失敗を探します。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
source_ip | 送信元IPが契約サービスのものか |
count | 集計されたメールの通数 |
header_from | 購入者に表示される差出人ドメイン |
policy_evaluated | 整合を踏まえたSPF・DKIM判定と処理 |
auth_results | SPF・DKIMの認証ドメインと認証結果 |
処理結果の disposition=none だけを見て、DMARC合格と判断せず、認証結果も併せて確認します。
見覚えのないIPは、担当者や契約先へ正規の送信元か照会し、失敗しているという理由だけでSPFへ追加しないようにします。
国内Yahoo!メールは、公開説明でDMARCレポート送信に対応していないとしています。レポートが来ないことだけで、DNS設定の失敗やメール不着とは判断できません。LINEヤフー公式「DMARCについて」
Gmail・Yahoo!メールの送信者要件
Gmailと米Yahooは一括送信者にDMARCなどを求めていますが、国内Yahoo!メールとは適用条件を分けて確認します。
| 項目 | Gmailの個人用アカウント宛て | 米Yahoo |
|---|---|---|
| 適用開始 | 2024年2月1日 | 2024年2月から段階的に適用 |
| 一括送信者の扱い | FAQでは24時間以内に約5,000通以上 | 具体的な通数のしきい値は非公表 |
| 全送信者の認証 | SPFまたはDKIM | SPFまたはDKIM |
| 一括送信者の認証 | SPF・DKIM・DMARCとFromの整合。p=none 可 | SPF・DKIM・DMARC。最低 p=none で、DMARC合格が必要 |
| 迷惑メール率 | Postmaster Toolsで0.3%未満 | 0.3%未満。受信トレイに届いたメールを基に算出 |
| 対象の販促・購読メール | ワンクリック解除と本文内の解除リンク | ワンクリック対応ヘッダーと本文内の解除リンク |
| 解除処理 | FAQでは48時間以内 | 2日以内 |
出典:Google送信者ガイドライン、Google公式FAQ、米Yahoo送信者要件、米Yahoo公式FAQ
約5,000通の境界付近でも、一括送信者要件を満たす運用を勧めます。
同じプライマリドメインのサブドメインも合算され、一度該当すると継続して一括送信者として扱われます。対象は個人用Gmailであり、Google Workspaceの独自ドメイン宛てとは異なります。
Googleは、2025年11月から非準拠の送信への措置を強化しているため、以前届いた実績だけで対応済みとは判断しません。
DMARCを設定しないとどうなるか
Gmailの一括送信者がDMARCを設定しない場合、要件を満たさない送信として扱われます。Googleの公式FAQでは、要件を満たさない送信者のメールは拒否されたり、迷惑メールフォルダに配信されたりすることがあると説明しています。2025年11月からは、一時的な拒否や永続的な拒否を含む措置の強化も案内されています。
拒否されたメールには、拒否コードと理由が返されます。配信システムのエラーログを確認し、どの要件が原因かを特定してから設定を直します。一括送信者に当たらない場合でも、全送信者にSPFまたはDKIMが求められます。
国内Yahoo!メールでは送信ドメイン認証への対応を推奨しており、Gmailと同じ通数条件は公開情報では確認できません。LINEヤフー公式の迷惑メール対策
ネットショップのメール認証で起きやすい失敗
次は公式資料の問題を店舗業務に当てはめた例であり、発生頻度の統計ではありません。
| 失敗例 | 確認・修正すること |
|---|---|
| メルマガだけ認証し、カートの注文通知を見落とす | 同じFromでも送信元が異なるため、サービスごとに確認します |
| 外部サービス側のドメインだけで認証される | 自社のFromとの整合に必要な署名や返送先設定を確認します |
| SPFをサービスごとに追加する | 同一ドメインのSPFは1レコードにまとめます |
SPFの include を増やし続ける | 入れ子を含むDNS参照の上限10回を確認します |
| DKIMのDNS登録だけで終了する | 実際のメールで署名と認証結果を確認します |
| 転送されたメールでSPFが失敗する | 転送経路と、DKIM署名が維持されているかを確認します |
| セール当日に送信量を急増させる | 送信量は徐々に増やし、配信制限やエラーを監視します |
| 表示上のFromだけを変える | 認証ドメインとの整合が必要なため、送信サービスの署名・返送先設定を見直します |
メルマガ本文の解除リンクだけでは、Gmailのワンクリック解除要件を満たせません。配信システムが次のヘッダーに対応し、解除処理を受け付けるかも調べます。URLは実際の解除処理先へ置き換えます。
| ヘッダー | 値の例 |
|---|---|
List-Unsubscribe | <https://example.com/unsubscribe/token> |
List-Unsubscribe-Post | List-Unsubscribe=One-Click |
注文確認などの取引メールには解除要件の例外がありますが、認証要件も免除されるわけではありません。Googleは領収書などの取引メールに販促内容を混在させないよう案内しています。
DMARC導入率と公的調査の読み方
警察庁の2025年調査では、回答した企業・教育機関・行政機関等588件のDMARC導入率は32.8%でした。日本の全ドメインや楽天市場出店店舗の導入率を示す数字ではありません。
自店で強化へ進めるかは、この数字ではなく、正規の送信経路で認証と整合が確認できたかで判断します。
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よくある質問(FAQ)
DMARCを設定すれば迷惑メールに入りませんか
受信トレイへの到達を保証するものではなく、認証合格後も受信側の迷惑メール判定は行われます。届かない場合は、送信評価、エラー、受信側の設定も確認します。
p=noneのままでもよいですか
Gmail・米Yahooの一括送信者要件では認められますが、認証失敗メールの隔離・拒否は要求しません。正規の送信経路を確認できたら、段階的な強化を検討します。
SPFとDKIMの両方に合格する必要がありますか
DMARC判定は、認証と整合を満たすSPFまたはDKIMの少なくとも一方で合格できます。ただし、一括送信者要件ではSPF・DKIM双方の設定が求められます。
DMARCはRMSで設定するのですか
自社管理ドメインのDMARCは、そのドメインのDNSで設定し、利用サービス側の認証設定も確認します。楽天の仕組みを通るメールの仕様は、楽天の店舗向け窓口へ照会します。
新しいメール配信サービスを追加したら何をしますか
新サービスのSPF・DKIMとFromの整合を確認し、テスト送信の認証結果を確かめます。導入後はDMARCレポートも確認し、既存の注文メールへの影響を調べます。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
AI社員アプリ・運営代行・ECコンサルまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。





