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楽天店舗の電話対応マニュアル|注文確認・クレーム・折返しの基本

楽天店舗の電話対応は、丁寧な言葉だけでなく、本人確認、傾聴、事実確認、解決、約束、記録を標準化します。受電時に店舗名と担当を名乗り、用件に必要な最小情報で本人を確認し、事実・感情・要望を分けます。即答できない場合は推測せず、保留または折返しの担当・時刻を約束します。
この記事では、受電の流れ、本人確認、注文・配送・返品、クレーム、保留・折返し、言ってはいけない約束、通話記録、録音、カスタマーハラスメント、教育とKPIまでを解説します。
電話対応は店舗の業務処理そのもの
電話応対の基本は、好印象を与える話し方から始まります。内容は基本編、クレーム対応編、実践編といった段階で体系化して整理できます。
古い時期の例文をそのまま現在の固定台本として転載せず、現在の受注・決済・返品・個人情報・録音の運用へ合わせます。
電話は会話だけで処理が進むため、聞き違い、権限外の約束、記録漏れが起きやすいチャネルです。印象と同じくらい、正しい注文処理と証跡を重視します。
受電の基本8ステップ

- 店舗名と担当者名を名乗る
- 相手の用件を遮らず聞く
- 用件に必要な範囲で本人確認する
- 注文・商品・配送等の事実を確認する
- 感情・困りごと・希望を分けて復唱する
- 解決策または確認手順を説明する
- 担当、期限、次の連絡を約束する
- 通話内容と処理結果を記録する
一度の電話で解決できないこと自体が悪いわけではありません。曖昧な回答より、確認事項と折返し時刻を明確にします。
最初の名乗りと用件確認
受電したら、店舗名と担当を聞き取りやすく名乗ります。相手の話す速度・音量に合わせ、語尾まで明瞭に話します。
基本形です。
お電話ありがとうございます。楽天市場○○店、担当の△△でございます。
用件が長い場合も途中で結論を急がず、最初に全体を聞きます。その後、「○○についてのご確認でございますね」と要点を復唱します。
聞き取れない場合は、推測せず「恐れ入りますが、もう一度商品名をお聞かせください」のように確認します。
本人確認は用件に必要な最小範囲で行う
注文番号を知っているだけで本人と判断せず、同時に、すべての電話で住所・生年月日等を聞くこともしません。住所変更、注文内容照会、返金など、情報の重要度に応じて確認項目を決めます。
| 用件 | 確認の考え方 |
|---|---|
| 一般的な商品質問 | 個人情報を求めない |
| 配送状況 | 注文と本人を必要範囲で照合 |
| 住所・注文変更 | より厳格な確認と変更可否 |
| 返品・返金 | 注文、支払、商品状態を確認 |
| 代理人 | 購入者の指定・権限を確認 |
本人確認の具体的な項目は、自社法務、楽天の現行ガイド、システム権限に合わせます。確認情報を周囲へ聞こえる大声で復唱しません。
事実・感情・要望を分けて聞く
クレームや急ぎの電話では、三つを混ぜると解決しにくくなります。
- 事実:いつ、何を注文し、何が起きたか
- 感情:不安、怒り、失望、困惑
- 要望:再送、返金、説明、期限等
例として、「明日使うのに届かず困っている」という話には、配送状況という事実、間に合わない不安、明日までの代替案という要望があります。
感情へ「ご不便をおかけしています」と応じても、店舗の責任や補償を調査前に確定しません。事実を確認して、権限内の対応を提示します。
注文・配送の問い合わせを処理する
注文番号、商品・SKU、注文日時、決済状態、出荷、追跡、配送先、案内履歴を確認します。
電話中に確認できない場合は、無理に配送日を約束せず、配送会社・倉庫・受注担当へ確認します。
伝える内容です。
- 現在確認できている状態
- まだ確認できていない事項
- 誰がどこへ確認するか
- いつまでに何の手段で連絡するか
- 購入者に必要な行動
追跡番号があるだけで到着時刻を保証せず、配送会社の現行表示と実際の調査結果を分けます。
返品・交換・返金は条件を読み合わせる
返品交換では、購入者都合、初期不良、誤配送、配送事故を分けます。
確認します。
- 注文番号、商品、SKU、数量
- 到着日と連絡日
- 開封、使用、洗濯、タグ、付属品
- 破損・不良の状況と写真等の必要性
- 商品ページ・店舗ルールの条件
- 返送料、再送料、返金方法
- RMS・楽天ペイ上の正式処理
電話で「必ず全額返金します」と先に約束せず、条件と権限を確認します。返金をレビュー削除・変更の条件にしません。
保留は目的と目安時間を伝える
黙って保留にせず、何を確認するか、どのくらいかかるかを伝え、了承を得ます。
在庫と出荷状況を確認いたします。2〜3分ほどお待ちいただけますでしょうか。
目安を超える場合は一度戻り、状況と選択肢を伝えます。長時間保留より、折返しを提案します。
保留中も、社内会話が相手へ聞こえない機器・操作を確認します。保留解除後は「お待たせいたしました」と戻り、確認結果を先に伝えます。
折返しは担当・期限・手段を約束する
折返し時に記録する項目です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相手 | 氏名、注文番号、本人確認済み範囲 |
| 用件 | 事実、困りごと、要望 |
| 確認 | 倉庫、配送、商品、決済等 |
| 担当 | 誰が確認・連絡するか |
| 期限 | 日付と時刻、営業日条件 |
| 手段 | 電話、メール、RMS経由等 |
| 不在時 | 留守電・再連絡・メールの扱い |
「後ほど」ではなく、現実的な時間を約束します。間に合わないと分かった時点で、期限前に状況を連絡します。
クレーム対応で反論を急がない
購入者の認識が事実と違うと思っても、最初から訂正・反論すると対立が強まります。
- 最後まで聞く
- 不便・不安への理解を示す
- 事実を時系列で確認する
- 店舗が確認する事項を示す
- 可能な選択肢を説明する
- 合意した対応を復唱する
- 実行・完了を記録する
謝意・お詫びの言葉と、法的責任・補償範囲の確定を分けます。重大事故、健康被害、個人情報、不正決済は通常クレームではなく、専用の緊急手順へ上げます。
言ってはいけない約束を決める
担当者が場を収めるために、権限外の約束をしないようにします。
- 未確認の配送日時を保証する
- 条件確認前に全額返金・無償再送を確約する
- 商品の効果・安全性を保証する
- 「絶対に再発しない」と断定する
- 配送会社・メーカー等の責任を確定する
- 個人情報・決済情報を電話で過剰に聞く
- レビュー削除と補償を交換条件にする
代わりに、確認する内容、責任者、回答期限、現時点で可能な選択肢を伝えます。
聞き間違いを復唱で防ぐ
特に、注文番号、型番、数量、色、サイズ、住所、電話、金額、日付を復唱します。
似た文字は、「数字の1」「アルファベットのI」のように区別します。住所変更では、郵便番号、都道府県、市区町村、番地、建物、氏名を分け、現行の変更可能期限と本人確認を先に確認します。
個人情報を復唱する場合は、周囲に第三者がいないか配慮し、必要範囲へ絞ります。
通話記録を注文履歴へ残す
記録は担当者の感想ではなく、後から処理を再現できる事実にします。
| 分類 | 記録内容 |
|---|---|
| 基本 | 日時、担当、相手、注文番号 |
| 用件 | 購入者の申告と確認済み事実 |
| 要望 | 希望内容、優先期限 |
| 回答 | 説明した条件・選択肢 |
| 約束 | 担当、期限、連絡手段 |
| 処理 | RMS、倉庫、配送、返金等 |
| 完了 | 購入者確認、完了日時 |
感情的・評価的な言葉を書かず、必要な個人情報だけを記録します。口頭の約束を後続担当へ確実に引き継ぎます。
録音と個人情報を管理する
通話録音を行う場合は、目的、告知、法的根拠、対象、権限、保存期間、利用・開示・削除を自社法務と確認します。
録音データやメモには、氏名、住所、注文、健康情報、苦情等が含まれ得ます。
- 保存先とアクセス権を限定する
- 私用端末へ録音しない
- 外部サービスの保存地域・再委託を確認する
- 保存期限後に削除する
- 教育利用時は必要な匿名化を行う
- 事故時の報告経路を決める
カード番号・セキュリティコード等を電話で取得・録音しません。正式な決済手続きを案内します。
カスタマーハラスメントから従業員を守る
正当な苦情と、暴言、脅迫、差別、性的発言、長時間拘束、過剰要求、個人攻撃を分けます。
対応手順です。
- 一人で抱えず責任者へ共有する
- 対応可能な要求と不可能な要求を明確にする
- 暴言等を止めるよう冷静に伝える
- 改善しない場合の通話終了条件を決める
- 脅迫・安全リスクは警察・専門窓口を含めて判断する
- 記録を保全し、担当者を交代・ケアする
購入者の不満をすべてハラスメント扱いせず、店舗のミスは適切に調査・是正します。同時に、無制限の要求へ応じません。
エスカレーション表を作る

| レベル | 例 | 対応 |
|---|---|---|
| 通常 | 商品質問、配送確認 | 担当者が標準回答 |
| 要承認 | 返品、値引き、再送 | 責任者承認 |
| 緊急 | 健康・安全、個人情報、不正決済 | 即時に専門責任者へ |
| 危険 | 脅迫、犯罪、安全リスク | 経営・法務・警察等を検討 |
各レベルの連絡先、営業時間外、代理責任者、初動を一枚にします。重大案件を通常の折返しキューへ置きません。
電話対応を教育する
マニュアルを読むだけでなく、実際の注文画面と想定ケースで練習します。
- 注文番号の聞き取り
- 配送遅延
- サイズ交換
- 初期不良
- 誤配送
- 決済・返金
- 怒っている購入者
- 本人確認できない代理人
- 健康・安全の緊急案件
ロールプレイ後に、事実確認、言葉、権限、約束、記録を個別に振り返ります。新人だけでなく、返品条件・システム変更時に全担当へ再教育します。
電話対応の品質を測る
短い通話時間だけを目標にすると、話を遮る、記録を省く、折返しを増やす恐れがあります。
確認する指標です。
- 応答率・放棄呼
- 初回解決率
- 折返し期限遵守率
- 再入電率
- 処理・記録漏れ
- 返品・再送・補償の正確性
- 苦情理由と再発
- 従業員の負荷・安全
通話後の結果と、注文・ページ・配送の改善につながったかを見ます。
電話対応チェックリスト
- 店舗名と担当を明瞭に名乗った
- 用件に必要な最小範囲で本人確認した
- 事実・感情・要望を分けて復唱した
- 推測せず、確認事項を明示した
- 保留の目的・時間、折返しの期限を伝えた
- 権限外の返金・配送・効果を約束していない
- 注文番号へ通話と処理を記録した
- 録音・個人情報の権限と期限を決めた
- ハラスメント・緊急案件の手順がある
- ロールプレイと結果指標で改善した
よくある質問
電話で注文番号を聞けば本人確認は十分ですか?
用件の重要度に応じて必要な確認が変わります。注文番号だけで本人と決めず、住所変更・返金等は自社法務と楽天の現行ガイドに基づく確認手順を使ってください。
その場で回答できない場合はどうしますか?
推測せず、何を誰へ確認するか、折返しの担当・時刻・手段を伝えます。約束時刻に間に合わない場合も、期限前に進捗を連絡してください。
怒っている購入者にはすぐ返金すべきですか?
感情へ配慮しつつ、注文、商品、原因、返品条件、権限を確認します。場を収めるために権限外の返金を約束せず、可能な選択肢と回答期限を示します。
通話を録音してもよいですか?
目的、告知、法的根拠、権限、保存期間、外部サービス、削除等を自社法務で確認します。カード情報を取得・録音せず、個人情報として厳格に管理してください。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



