ホーム > 楽天店舗・RMS
楽天の店舗内カテゴリ設計|迷わせない階層・名前・改善方法

楽天の店舗内カテゴリは、社内の商品分類ではなく、購入者が商品を探す目的に合わせて設計します。用途、対象者、商品種別など、検索意図が異なる入口を少数に絞り、階層を浅く、カテゴリ名だけで中身が予測できる状態にします。
全商品ディレクトリIDやジャンルIDは楽天市場側の分類です。この記事で扱うのは、自店舗のナビゲーションとして使う店舗内カテゴリです。設計の手順、階層の決め方、商品紐付け、スマホ確認、削除・移動時の注意、アクセスデータを使った改善まで解説します。
店舗内カテゴリとジャンルIDを混同しない
店舗オープンに向けては、カテゴリの設計・作成が必要になります。ただし古い解説は現在のRMS画面とは異なる可能性があるため、本稿では操作名を固定せず、設計と確認の原則を中心に説明します。
店舗内カテゴリと楽天市場側の分類は、目的が違います。
| 分類 | 主な目的 | 設計主体 | 判断基準 |
|---|---|---|---|
| 楽天市場側のジャンル・ディレクトリ | 楽天市場内の検索・分類 | 楽天の定義に沿って店舗が選択 | 商品の実体と定義 |
| 店舗内カテゴリ | 自店舗内の回遊・比較 | 店舗 | 購入者の探し方 |
たとえば社内では「仕入先A」「2026年春導入」で管理していても、購入者には意味が伝わりません。「用途から選ぶ」「サイズから選ぶ」「ギフト」など、選択理由が分かる入口に置き換えます。
ジャンルIDの考え方は「楽天市場のジャンルIDとは」を参照してください。
最初に購入者の探し方を集める

担当者の感覚だけでカテゴリを作ると、商品部門や在庫場所の構造になりがちです。次のデータから、購入者が使う言葉と比較軸を集めます。
- 楽天内検索・店舗内検索の語句
- 商品ページ・カテゴリページのアクセス
- 売上上位商品と同時購入
- 問い合わせ、電話、チャットの質問
- レビュー内の用途・悩み・対象者
- 広告の検索語と遷移先
- 季節・イベントごとの購入目的
検索語をそのままカテゴリ名へするのではなく、意味の近い語をまとめます。「母の日」「誕生日」「お礼」は「ギフト」配下に置くか、需要が十分なら主要入口にする、といった判断をします。
カテゴリの基準を一つずつ選ぶ
一つの階層で、異なる分類軸を無秩序に混ぜないことが重要です。主要な基準は次のとおりです。
- 商品種別:バッグ、財布、小物
- 用途:通勤、旅行、アウトドア
- 対象者:メンズ、レディース、キッズ
- 機能:防水、軽量、大容量
- 価格帯:3,000円以下、1万円以上
- 季節・行事:新生活、母の日、お中元
- ブランド・シリーズ
同じ階層に「バッグ」「通勤」「5,000円以下」「新着」を並べると、商品種別、用途、価格、更新状態が混ざります。入口として意図的に並べる場合は、見出しやグループを分けます。
商品が複数の目的に該当するなら、必要なカテゴリへ紐付けても構いません。ただし、同義のカテゴリを増殖させないよう管理します。
主要カテゴリを少数に絞る
最初から全商品の例外を表現しようとすると、カテゴリが増えます。まず売上・在庫・検索需要の多い商品をカバーする主要カテゴリを作り、例外は検索、特集、絞り込み等で補います。
カテゴリ候補ごとに次を確認します。
| 確認項目 | 判断する質問 |
|---|---|
| 意図 | その入口を選ぶ購入者の目的は明確か |
| 商品数 | 比較できるだけの商品が継続してあるか |
| 独立性 | 隣のカテゴリと違いを説明できるか |
| 継続性 | 一時的な都合だけで作っていないか |
| 言葉 | 購入者が理解・使用する名称か |
| 遷移先 | 開いた後に次の選択肢が分かるか |
1商品しかないカテゴリは、将来増える計画や明確な需要がなければ、商品ページへの直接導線で足りる場合があります。
階層は浅く、選択の意味を持たせる
階層が深いほど整理されて見えますが、購入者のタップ回数と迷いは増えます。特にスマホでは、現在地と戻り先が見えにくくなります。
良い階層は、各段階で選択の意味があります。
例:バッグ > 通勤バッグ > 13インチPC対応
悪い例:ファッション > 雑貨 > その他 > おすすめ > バッグ
「その他」が複数階層にある、親と子が同じ意味、子カテゴリの商品が数件しかない場合は、統合を検討します。階層数の絶対的な正解はありません。主要商品へ自然に到達できるかをスマホで確認します。
カテゴリ名だけで中身を予測できるようにする
カテゴリ名は短く、具体的にします。「おすすめ」「人気」「セレクト」のような抽象語だけでは、開くまで中身が分かりません。使うなら「通勤におすすめ」「人気のギフト」のように対象を加えます。
命名ルールを作ると増設時の揺れを防げます。
- 単数・複数やカタカナ表記を統一する
- メンズ/男性用など同義語を統一する
- 商品種別と用途を混ぜる場合の順序を決める
- 年号・季節名を恒久カテゴリへ入れ過ぎない
- 社内略語、仕入先名、管理番号を使わない
- 「その他」は何が含まれるか再検討する
検索対策のために語句を詰め込むより、購入者が一読で判断できる名前を優先します。
商品の重複紐付けを意図的に管理する
同じ商品を「バッグ」「通勤」「軽量」へ置くことは、異なる入口を提供するため合理的です。一方、ほぼ同じ商品一覧を持つカテゴリが多数あると、管理と導線が複雑になります。
カテゴリ台帳を作り、目的、親カテゴリ、対象条件、商品数、責任者、作成日、見直し日を記録します。商品を追加する担当者が、名称だけでなく対象条件を確認できるようにします。
商品紐付けのルール例です。
- 主分類を必ず一つ決める
- 用途カテゴリは、商品説明で根拠を示せるものだけにする
- 期間限定カテゴリは終了日を持たせる
- 特集ページと恒久カテゴリを区別する
- 空カテゴリ、1商品カテゴリ、重複一覧を月次で確認する
カテゴリページを単なる商品一覧にしない
カテゴリを開いた購入者が、次にどう選べばよいか分かる情報を置きます。冒頭が長すぎると商品が見えないため、要点を短くします。
- このカテゴリに含まれる商品の範囲
- 選び方の主要な比較軸
- サイズ・用途・素材等の下位カテゴリ
- 初めての人向け商品と人気商品
- 配送・納期等、カテゴリ共通の注意
- 関連カテゴリへの戻り道
商品説明をカテゴリページへ大量に複製するのではなく、比較と分岐に必要な情報へ絞ります。商品ページ自体の構成は「楽天の商品ページを改善する方法」で解説しています。
スマホで回遊テストする
設計資料だけで判断せず、実機相当の幅で購入者の操作を再現します。代表的なタスクを3〜5個用意します。
例として、「通勤用の軽いバッグを探す」「5,000円以内のギフトを探す」「見た商品から同じシリーズへ戻る」といった課題です。
テストでは次を記録します。
- 最初に選んだ入口
- 迷った名前
- 商品へ到達するまでのタップ数
- 行き止まりや空カテゴリ
- 戻った場所と理由
- 並び順・絞り込みで解決したか
- 目的の商品がないと判断できたか
担当者は構造を知っているため迷いに気づきにくいものです。可能ならカテゴリ設計に関わっていない人にも試してもらいます。
並び順は購入目的と在庫を反映する
主要カテゴリの並び順は、社内で作った順ではなく、需要、季節、利益、在庫、戦略で決めます。ただし、毎日のように位置を変えると学習しにくくなるため、変更理由と期間を持たせます。
カテゴリ内の商品順も、売上順だけが正解ではありません。初めての人向け、主力、価格帯、在庫、納期を考慮します。在庫切れ商品ばかりが先頭に並ばないか、広告の遷移先で対象商品が見つかるかを確認します。
並び替え後は、クリック、商品到達、転換、問い合わせだけでなく、カテゴリから離脱した位置も見ます。
削除・移動前に影響範囲を確認する
カテゴリ名やURL、階層、商品紐付けを変更すると、店舗トップ、商品ページ、バナー、メルマガ、広告、外部検索、ブックマーク等へ影響する可能性があります。
変更前に次を棚卸しします。
- 対象カテゴリへのリンク元
- 広告・キャンペーンの遷移先
- 下位カテゴリと紐付け商品
- 代替の遷移先
- 変更後のスマホ・PC表示
- 旧URLアクセス時の挙動
- 変更日時と復旧方法
現行RMSでカテゴリ削除時に下位カテゴリや商品紐付けがどう扱われるか、操作前に確認します。古いマニュアルの画面や挙動を前提にしません。
データで毎月改善する

カテゴリは一度作って終わりではありません。月次で次を確認します。
| 指標 | 見つけたい問題 |
|---|---|
| カテゴリアクセス | 入口が見られているか |
| 商品クリック率 | 一覧から商品へ進めるか |
| 転換率 | 意図に合う商品を提示できたか |
| 店舗内検索語 | カテゴリにない需要があるか |
| 離脱・戻る行動 | 名前・階層で迷っていないか |
| 商品数・在庫 | 空洞化、欠品偏重がないか |
| 問い合わせ | 選び方が不足していないか |
アクセスが少ないカテゴリは、需要がないとは限りません。入口が見えない、名前が分からない、広告や商品ページからリンクされていない可能性も確認します。
アクセス分析の基本は「R-Karteでアクセスを分析する方法」も参照してください。
カテゴリ設計チェックリスト
- 店舗内カテゴリと楽天市場側ジャンルを区別した
- 購入者の目的・語句から主要入口を決めた
- 同じ階層の分類軸を揃えた
- カテゴリ名だけで中身を予測できる
- 階層を深くし過ぎていない
- 1商品・空・同義カテゴリを整理した
- 商品の重複紐付けにルールがある
- スマホで代表タスクを試した
- 削除・移動前にリンク元を監査した
- 月次でアクセス・商品クリック・転換を確認する
よくある質問
店舗内カテゴリは何個が適切ですか?
一律の正解はありません。主要な購入目的をカバーし、各カテゴリに比較できる商品があり、名前の違いを説明できる数に絞ります。数よりも、重複、空カテゴリ、深すぎる階層を確認してください。
一つの商品を複数カテゴリへ入れてもよいですか?
購入目的が異なる入口を提供するなら有効です。主分類と追加条件を決め、同じ一覧を持つ同義カテゴリを増やさないよう台帳で管理します。現行RMSの紐付け仕様も確認してください。
SEOのためにキーワードをカテゴリ名へ入れるべきですか?
購入者が理解し、実際に使う名称であれば有効です。ただし語句を詰め込み、内容を予測できない長い名前にしないでください。回遊と選択の分かりやすさを優先します。
カテゴリを削除するときの注意点は?
下位カテゴリ、商品紐付け、店舗内リンク、バナー、広告、メルマガ、外部流入を確認し、代替遷移先と復旧手順を決めます。削除時の現行RMS挙動は操作直前に確認してください。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



