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楽天の商品写真の撮り方|必要カット・撮影手順・公開前チェック

楽天の商品写真は、カメラを構える前に「購入者が何を比較し、何を不安に思うか」から必要カットを決めます。正面・背面・側面の基準写真に加え、サイズ、素材感、使い方、SKU差、付属品、向かない条件を撮り、カメラ位置・光・背景・色を固定して比較できる状態にします。
この記事では、商品事実の整理、カット表、撮影環境、機材、構図、サイズ・色の再現、使用場面、画像編集、ファイル管理、スマホでの公開前QAまでを解説します。AIで画像を生成する方法ではなく、実物商品を正確に撮影する工程がテーマです。
商品写真は購入判断を代行する
商品画像作成は、機材選択、写真の基準、撮影手順、画像編集といった流れで進めます。
ただし古い解説も多いため、当時の商品画像サイズや登録仕様を現行要件として使いません。
写真は、外観、色、厚み、質感、大きさ、使い方、付属品を確認する目の代わりです。判断できる情報を優先します。
撮影前に商品事実を確認する
撮影担当が商品名と現物だけを渡されると、重要な差や注意を撮り漏らします。商品担当と事実シートを作ります。
| 分類 | 確認すること | 写真への反映 |
|---|---|---|
| 商品 | 正式名称、型番、SKU | ファイルとカットを識別 |
| 形状 | 正面、裏面、側面、底面 | 基準カット |
| 仕様 | 寸法、重量、容量、素材 | 寸法・質感・収納例 |
| 機能 | 動く部分、操作、対応範囲 | 使用手順・ディテール |
| 差 | 色、サイズ、セット、旧型 | SKU比較 |
| 付属 | 同梱品、別売品 | 内容物一覧 |
| 注意 | 個体差、傷、透け、柄 | 誤認防止カット |
| 表示 | 法令、権利、ガイドライン | 撮影・編集の制約 |
現物と仕様書が違う場合、撮影を進めず商品担当へ確認します。試作品を撮るときは、販売品との差と差し替え期限を記録します。
購入者の質問からカット表を作る

商品写真の枚数を先に決めるのではなく、購入前の質問へ答えるカットを並べます。
基本のカット候補です。
- 商品を正しく識別できる基準写真
- 正面・背面・左右・上・底面
- 素材、縫製、端子、成分表示等のディテール
- 寸法・厚み・持ったときの大きさ
- 使用・装着・収納・組立の手順
- SKUの色・サイズ・容量比較
- セット内容と付属品
- 対応品・非対応品の違い
- 注意点、個体差、使用条件
- 梱包・贈答・到着状態
カット表には、目的、対象SKU、構図、背景、モデル・小物、必要な文字、担当、期限、使用場所を記載します。一つの写真に複数の目的を詰めすぎません。
第1商品画像と説明画像を分ける
第1商品画像は、検索結果や商品ページで、何を販売しているか正しく識別できることを優先します。説明画像は、使い方、比較、仕様、注意を補います。
第1商品画像へキャッチコピー、ランキング、付属しない小物を大量に入れると、商品が小さくなり、誤認や現行ガイドライン違反につながる可能性があります。背景、枠、文字、ロゴ、余白等は、公開前に店舗運営Naviの最新要件を確認します。
説明画像でも、イメージ写真と販売内容を混同させません。「使用イメージ」「小物は付属しません」等、必要な情報を読める形で示します。
撮影環境を固定する
撮影のたびに机、窓、照明、カメラ位置が変わると、SKU間で色・大きさ・影が比較できません。再現できる環境を作ります。
- 撮影台と背景の位置を印で固定する
- カメラ・三脚の高さと距離を記録する
- 主光、レフ板、ディフューザーの位置を記録する
- 窓光を使うか遮るかを決める
- 周囲の色が商品へ映り込まないようにする
- ホワイトバランスと露出の基準を決める
- 商品ごとの撮影開始時に基準カットを撮る
撮影図を上から見た図で残し、距離、角度、光源、設定を書きます。後日SKU追加や再撮影があっても、見た目を揃えやすくなります。
機材は再現性から選ぶ
高価なカメラだけで写真は改善しません。商品の大きさ、必要な解像、撮影頻度、担当者の技能から選びます。
最低限検討する機材です。
- カメラまたは画質を管理できるスマートフォン
- 高さ・角度を固定できる三脚
- 商品に合う背景紙・撮影台
- 色と明るさを安定させる照明
- ディフューザー、白レフ、黒板
- 清掃用品、手袋、固定具
- 色・露出を確認する基準物
スマートフォンでも、レンズを清掃し、デジタルズームを避け、同じ距離・露出・色設定で撮れば、再現性を高められます。機種の自動補正でSKUごとの色が変わらないか確認します。
商品を撮影前に整える
編集で直す前提にせず、現物を最良かつ正しい状態へ整えます。
- ほこり、指紋、糸くず、水滴を除く
- 折れ、しわ、形崩れを商品に適した方法で直す
- ラベル、ロゴ、柄の向きを揃える
- 可動部、ファスナー、蓋を確認する
- 付属品と販売数を照合する
- 撮影用個体の傷・個体差を記録する
商品にない部分を作ったり、通常状態では保てない形へ固定したりしません。
基準カットは形と比率を正しく撮る
正面写真では、カメラを商品の中心高さに合わせ、商品面とセンサー面を必要に応じて平行にします。広角で近づきすぎると、手前が大きく奥が小さく歪みます。
同シリーズを比較させる場合は、焦点距離、距離、角度、余白を揃えます。商品ごとに自動でトリミングすると、実際の大小関係が逆転する場合があります。
立体感を見せる斜め写真は有効ですが、基準となる正面・側面も用意します。一つの魅力的な角度だけで、背面や厚みを隠しません。
サイズ感は複数の方法で伝える
寸法表だけで実際の大きさを想像しにくい商品には、視覚的な比較を加えます。
| 方法 | 向く商品 | 注意点 |
|---|---|---|
| 寸法線 | 家具、バッグ、部品 | 測定箇所・単位を示す |
| 手持ち・着用 | 衣類、小物 | モデル寸法・着用SKUを示す |
| 収納例 | バッグ、容器 | 付属品と誤認させない |
| 共通物との比較 | 小物、食品 | 比較物の大きさを明記する |
| SKU横並び | サイズ展開 | 距離・縮尺を揃える |
遠近法で大きさを誇張しません。着用写真では、モデルの身長・体型、着用サイズ、撮影条件を必要に応じて示します。
色と素材感を現物へ合わせる

購入者の画面環境で完全に同じ色を保証することはできませんが、店舗側で意図的な色ずれを作らないよう管理します。
- 混色する環境光を避ける
- 撮影開始時に色・露出の基準を撮る
- ホワイトバランスを固定する
- 過度な彩度・コントラスト補正を避ける
- 校正された表示環境と現物で比較する
- SKUを同条件で撮る
光沢、起毛、透明、金属などは、真正面の光だけでは素材感が消える場合があります。光の方向と反射を調整し、質感が分かるディテールを追加します。
ライティングの詳しい設計は「楽天の商品写真ライティング」で解説します。
使用場面は事実と販売内容を分ける
使用場面写真は、サイズ、姿勢、操作、利用後の状態を理解しやすくします。一方、演出用の家具・食品・衣類がセットに含まれるように見える危険があります。
撮影前に、販売商品、付属品、演出小物を一覧化します。画像内または近接する説明で、含まれない物を明確にします。
商品を本来想定しない用途で使う、耐荷重を超える、効果を保証する演出を行う、危険な使用方法を見せることは避けます。モデル・撮影場所・第三者商標・美術品等の権利も確認します。
SKUごとの差を同条件で撮る
色違い、サイズ違い、容量違いは、比較しやすいように背景、角度、露出、トリミングを揃えます。
SKU台帳には、撮影済みカット、画像ファイル、商品属性、販売状態を紐付けます。旧色・旧仕様の画像が、新SKUへ流用されないようにします。
代表色だけを撮り、他色を画像編集で作る場合、現物の色・素材・部品差を正しく再現できるか慎重に判断します。色変更で事実と異なる画像を作らないでください。
画像編集は事実を変えない
編集では、傾き、余白、露出、ホワイトバランス、ほこり等を整えます。しかし、商品の形、色、傷、縫製、内容量、付属品、効果を実物以上に変えてはいけません。
編集前後を残し、次を確認します。
- 輪郭や比率を変形していない
- 色・明るさが現物から離れていない
- 模様・ロゴ・成分表示を変えていない
- 傷や個体差を不当に消していない
- 合成した影・背景で大きさを誤認させない
- 生成塗りつぶしで架空の部分を作っていない
AIによる加工を使う場合も、最終画像を現物と照合します。AI画像全般の注意は「EC商品画像をAIで作る・加工する方法」を参照してください。
元データ・編集・入稿ファイルを分ける
ファイルを上書きし続けると、再編集と監査ができません。
推奨する管理単位です。
- RAW・撮影元:変更しない原本
- 編集マスター:レイヤー・補正を保持
- 入稿データ:媒体仕様へ書き出した画像
- 公開版:RMSへ登録したファイルとURL
ファイル名に商品ID、SKU、カット、版、日付を含めます。使用権期限、モデル許諾、撮影者、商品仕様版も台帳へ記録します。
書き出しと登録前に品質を確認する
現行の楽天商品画像仕様を確認して、ファイル形式、ピクセル、容量、色空間、枚数へ合わせます。過去の講座や社内資料の数値をそのまま使いません。
書き出し後に次を確認します。
- ファイルが破損せず開く
- 商品・SKU・カットが正しい
- 圧縮で文字やディテールが崩れていない
- 色が編集画面から大きく変わっていない
- ファイル名と登録順が正しい
- 第1商品画像の現行ガイドラインを満たす
- 商品説明・属性・販売内容と一致する
スマホ実画面で公開後QAを行う
RMSへの登録成功だけでは完了ではありません。楽天市場アプリとスマホWeb、必要に応じてPCで実ページを確認します。
- 検索結果の小さい画像で商品を識別できる
- 第1画像と選択SKUが一致する
- 画像順が購入判断の順になっている
- 拡大時にディテールと文字を読める
- 色・サイズ・付属品が説明と一致する
- 古い価格・キャンペーン・仕様が残っていない
- 読み込み失敗や縦横比の崩れがない
撮影を改善する指標
写真の評価を「きれい」で終えず、購入行動と運用で確認します。
| 指標 | 見つけたい問題 |
|---|---|
| 商品クリック率 | 第1画像で識別・興味を作れるか |
| 画像閲覧・離脱 | 順番や情報不足がないか |
| SKU選択 | 色・サイズ差が分かるか |
| 問い合わせ | 寸法・付属品・用途が不足していないか |
| 返品理由 | 色・サイズ・期待とのずれがないか |
| 撮り直し率 | カット表・基準が不足していないか |
| 制作時間 | 標準化で再作業が減ったか |
画像だけを変更するときも、変更日、対象、仮説、前後の指標を記録します。
よくある質問
スマートフォンだけでも商品写真を撮れますか?
商品と必要な解像度によっては可能です。レンズ清掃、三脚、距離、光、露出・色の固定を行い、現物とスマホ実画面で確認してください。自動補正によるSKU間の色差にも注意します。
商品写真は何枚必要ですか?
一律の枚数ではなく、購入者の質問へ答えられるカットを揃えます。現行の登録上限を確認し、商品識別、形状、サイズ、素材、使い方、SKU差、付属品、注意を優先してください。
写真のほこりや傷を消してもよいですか?
撮影時に付いた一時的なほこりの補正と、販売品の品質・個体差を隠す加工は分けて判断します。実物以上に見せず、編集前後を保存して商品担当が確認してください。
AIで背景を生成してもよいですか?
背景の権利、商品との接地、影、縮尺、使用場面、付属品の誤認を確認します。商品自体を変形・生成せず、現物と比較し、楽天の現行画像ガイドラインも満たしてください。
店舗の「次の一手」を一緒に進めるなら
運営代行・ECコンサル・AIツールまで、現場を知るチームがワンストップで伴走します。
西尾 勝太株式会社ラクダ 代表
楽天SOY 2年連続受賞 / 楽天NATIONSリーダー店舗 / 楽天NATIONS AIエバンジェリスト
楽天市場の月商を5年で200万円→2億円に伸ばした現場の実践者。売れるECの方程式にAIを重ね、EC事業者の「次の一手」に伴走しています。



